この記事では「飽和水溶液・溶解度・溶解度曲線」について、登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」の授業をもとに記事にまとめたぞ。

「物質を水に溶かす」という実験を通して、物質のとけやすさや、それを表す溶解度という値を考えよう。溶解度曲線のグラフはよくテストにも出てくるぞ。

ライターのオノヅカユウともに、動画の内容をわかりやすく解説していく。

ライター/小野塚ユウ

この記事の「とある男が授業をしてみた」×「ドラゴン桜」のコラボ記事執筆を担当。自身も大学での研究経験を活かし、現役講師として活動している。

登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」とコラボ!

今回の記事は、人気講師YouTuberの再生回数15万回の授業をもとにまとめています。

また、上の2つの動画の内容も含まれています。ほかにも中学生・高校生向けのわかりやすい授業が多いので、ぜひ見てくださいね。

液体に溶けた物質を取り出してみよう!

今回ご紹介する動画では、液体中に溶けた物質を取り出すという実験を通して、飽和水溶液や溶解度、溶解度曲線についての理解を深めていきます。まずは、とある男さんが例として紹介してくれる実験を確認していきましょう。

実験の流れ

実験の流れ

image by Study-Z編集部

今回の実験では2本の試験管を用意しています。それぞれ、試験管A、試験管Bとよびましょう。

試験管Aには食塩と水が、もう一方の試験管Bには硝酸カリウムと水が入っています。

これを両方とも湯せんして50度まで温度をあげたあと、流水にあてて冷却。それぞれの試験管から一滴、水溶液をガラス板にとって、乾いたところを観察します。

これが、今回の実験のながれです。

\次のページで「実験の結果」を解説!/

実験の結果

動画内ではすぐに説明に入っていますが、先に実験の結果を確認しておきましょう。

食塩と硝酸カリウムは、水への溶け方が違う

まず、同量の食塩と硝酸カリウムを、それぞれ同じ量の水に入れたとき。食塩の入った試験管Aの方が溶け残りが少ない、ということが確認できます。

一方、硝酸カリウムを使った試験管Bの方では、溶けきれていない硝酸カリウムが確認できるのです。

温めたり、冷やしたりすると…?

2つの試験管を加熱すると、試験管Aでは大きな変化は見られませんが、試験管Bでは溶け残りの硝酸カリウムが溶けていく、という変化が見られます。

さらに、両方の試験管内に溶け残りがなくなったのを確認した後、これを冷やすと…試験管Bの内部には固体が出てくるんです。

この固体を観察すると、いくつかの平面で囲まれた規則正しい形をしていることがわかります。このような固体は「結晶(けっしょう)」というので覚えておきましょう。

この実験で何がわかる?

この実験によってわかるのは、食塩(おもに塩化ナトリウム)と硝酸カリウムの、温度に対する溶けやすさの違いです。

ほとんどの場合、物質は温度が高くなると、溶ける量が増えます

ところが、今回使った食塩は、温度を変えてもほとんど解ける量が変わらない物質です。冷たい水でも、50度に温められても、水に溶けられる量が多いので、はじめの時点で溶け残りが少なくなります。

image by Study-Z編集部

一方、硝酸カリウムの方は、温度によって溶けられる量に大きな差があるんです。温かくない水に溶けられる量は少ないけれど、温度を上げると同じ量の水にたくさん溶けることができるようになります。

そのため、はじめ試験管Bには溶け残り(=溶けられなかった硝酸カリウム)が多く、温めることでそれが溶ける…温める前と後で大きな変化がみられることになるのです。

\次のページで「 4つの重要キーワード」を解説!/

4つの重要キーワード

2本目の動画のはじめに、重要キーワードの解説があります。それぞれの用語を確認してから、動画を先に進めましょう。

飽和水溶液

物質が水にそれ以上溶けることのできなくなった水溶液「飽和水溶液」といいます。

飽和水溶液になっているところに、溶かす物質(溶質)を追加しても、溶けることができずに溶け残りになるんです。

溶解度、溶解度曲線

水100gに溶質を溶かし飽和水溶液をつくったとき、溶けた溶質の量「溶解度」といいます。

同じ”水100g"という量に対して、何g溶けられるかという溶解度は物質によってさまざまです。

さらに、同じ溶質を使っていても、温度を変えれば溶解度は異なる値となりますいろいろな温度に対する溶解度をグラフにしたもの「溶解度曲線」です。

再結晶

溶解度の差を利用して結晶を取り出すこと「再結晶」といいます。

image by Study-Z編集部

食塩と硝酸カリウムの溶解度曲線を比べてみよう

食塩と硝酸カリウムの溶解度曲線を重ねて比べると、硝酸カリウムの方が温度によって溶ける量がかわりやすい、ということが分かります。

例えば、40℃の水100gに、それぞれ60gの硝酸カリウムと食塩をとかすと、硝酸カリウムは全部とけますが、食塩は全部とかすことができません。とけのこる量は約20g。これは、とかそうとして水に入れた食塩の量から、40℃の水にとけられる食塩の量をひくことで求められます。

\次のページで「溶解度曲線の見方をしっかりとおさえよう!」を解説!/

image by Study-Z編集部

また、硝酸カリウムを全部とかした水溶液を10℃まで冷やすと、溶解度がちいさくなり、とけられなくなった約40gの結晶が出てきます。はじめの実験で、硝酸カリウムの水溶液を冷やしたときに出てきた結晶は、硝酸カリウムだったのですね。

食塩でも多少は溶解度の差があるので、少しは結晶がでてくるかもしれません。しかしながら、硝酸カリウムと食塩を比べれば、硝酸カリウムの方が圧倒的にたくさんの結晶がえられるはずです。

溶解度曲線の傾きが大きいということは、それだけ温度による溶解度の差が大きいということ。グラフを見ただけで、「どちらの方が再結晶でたくさんの結晶がえられるか」もわかってしまうといえますね。

なお、とけ残りや再結晶が得られるような状態の水溶液は、限界まで物質が溶けているので飽和水溶液となっています。

溶解度曲線の見方をしっかりとおさえよう!

溶解度曲線のグラフから、とけられる物質やとけ残り、再結晶でえられる結晶の質量などが求められるように練習しましょう。計算問題が出題されることも少なくありません。

グラフが出てくる問題を苦手とする人もいますが、そういった方は「縦軸と横軸が何を表しているのか」や、「グラフの傾きが変わるとどんな変化が起きるか」などに注目して考える癖をつけるのがおすすめです。少しずつ、グラフを使った考え方に慣れていきたいですね。

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理科

3分でわかる飽和水溶液・溶解度・溶解度曲線!登録者数95万人人気講師がわかりやすく解説

この記事では「飽和水溶液・溶解度・溶解度曲線」について、登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」の授業をもとに記事にまとめたぞ。

「物質を水に溶かす」という実験を通して、物質のとけやすさや、それを表す溶解度という値を考えよう。溶解度曲線のグラフはよくテストにも出てくるぞ。

ライターのオノヅカユウともに、動画の内容をわかりやすく解説していく。

ライター/小野塚ユウ

この記事の「とある男が授業をしてみた」×「ドラゴン桜」のコラボ記事執筆を担当。自身も大学での研究経験を活かし、現役講師として活動している。

登録者数95万人の人気講師YouTuber「とある男が授業をしてみた」とコラボ!

今回の記事は、人気講師YouTuberの再生回数15万回の授業をもとにまとめています。

また、上の2つの動画の内容も含まれています。ほかにも中学生・高校生向けのわかりやすい授業が多いので、ぜひ見てくださいね。

液体に溶けた物質を取り出してみよう!

今回ご紹介する動画では、液体中に溶けた物質を取り出すという実験を通して、飽和水溶液や溶解度、溶解度曲線についての理解を深めていきます。まずは、とある男さんが例として紹介してくれる実験を確認していきましょう。

実験の流れ

実験の流れ

image by Study-Z編集部

今回の実験では2本の試験管を用意しています。それぞれ、試験管A、試験管Bとよびましょう。

試験管Aには食塩と水が、もう一方の試験管Bには硝酸カリウムと水が入っています。

これを両方とも湯せんして50度まで温度をあげたあと、流水にあてて冷却。それぞれの試験管から一滴、水溶液をガラス板にとって、乾いたところを観察します。

これが、今回の実験のながれです。

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