
1.それは効率的な方法だと、先輩が膝を打った。
2.そうだったのかと、上司は思わず膝を打っていた。
「膝を打つ」という慣用句自体に「思いついた」や「感心した」といった感情が含まれているといえます。そのため「膝を打って感心した」というよりは「そうだったのかと、私は膝を打った」と表現するのが一般的でしょう。また、あくまで動作のことを差しているため、感心していたとしても、膝をたたく動作をしない限り「膝を打つ」とはいいません。だからこそ、「膝を打つ」を使える人物は限られてくるのではないでしょうか。あなたの周りに、膝をたたいてリアクションをとる人がいたら、「膝を打つ」を使って様子を表現してみてください。
「手を打つ」
「手を打つ」には3つの意味がありますが、その1つに「両手を打ち合わせて音をたてる」があります。たとえば、感情が高ぶって感動した時、なにか思いついた時など、両手を打ち合わせることはないでしょうか。拍手とまではいきませんが、「手を打って」喜ぶ人を見たことがあるかと思います。「手を打つ」と「膝を打つ」は、動作が違うだけで、両方とも無意識にしてしまうリアクションといえるでしょう。「膝を打つ」人は少なかったとしても、「手を打つ」人は意外と多いはずですよ。
「相槌を打つ」
相手の話に合わせて、「相槌(あいづち)を打つ」人は多いのではないでしょうか。「なるほど」といった雰囲気で、少し頷きながら受け答えすることがありますよね。そのような動作のことを「相槌を打つ」と表現します。「相槌を打ちながら、上司の話を聞いた」といえば、「うんうん」と頷きながら話を聞く様子が目に浮かぶのではないでしょうか。
ただし、よくある誤りで「相槌を入れる」があります。「合いの手を入れる」という言葉があるせいか、混同して間違って使ってしまう方が多いようですね。「入れる」と表現してしまうと、むしろ話の邪魔をしているような印象を与えてしまうかもしれません。「相槌」は「打つ」ものです。間違えないように注意してくださいね。
\次のページで「「膝を打つ」の対義語は?」を解説!/