
携帯電話を用いた無断の写真撮影は禁じられていたが、健太側に悪意は見られなかったとして今回は不問に付されるというかたちになった。
新入社員の末広君は語彙力に乏しく誤字・脱字も少なくないのだが、なぜかそのことは不問に付されることも多く皆不思議に思っていた。
今回失敗した件だけは不問付してあげるから、どんどん出版の実務経験を積んで一日も早く一人前の編集マンに育ってほしいものだね。
「不問に付す」を使用する上でポイントとなるのが、「問題にしない」という部分です。これは、何かトラブルとなることがあったことを示唆していますよね。
それは、それぞれの例文で無断の写真撮影や誤字・脱字、失敗という言葉でうかがい知れます。それらの本来は問題視されるべき事柄がそうはならないというところが、「不問に付す」を理解するのに欠かせないポイントです。
また、最初の例文と二番目の例文のように「~される」と受け身の形で用いられやすいことも覚えておくとよいでしょう。
#2 「不問に付す」の類義語は?違いは?

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ところで、「不問に付す」と似た意味を持ったことばにはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、その中でも代表的なものを二つほど紹介していきます。
「お咎めなし」
「お咎めなし」は、「不問に付す」の類義語の中でもよく用いられるもののひとつです。この慣用句には、咎めだてがあえて行われないという意味があります。
「咎める」とは、注意したり責めたりするという意味の動詞です。「お咎めなし」という慣用句は多くの場合で「意外にも」というニュアンスを含みますので、覚えておくことをおすすめします。
「大目に見る」
「大目に見る」もまた、「不問に付す」の類義語として十分に通用するものです。こちらの慣用句には、不正を厳しくとがめることをしないという意味があります。
問題であるという認識はあるものの、法やルールに照らし合わせた厳密な処罰は行わないという意味合いです。では、これらの類義語を用いた例文をみていきましょう。
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