「阿吽の呼吸」
神社の狛犬(こまいぬ)は左右にそれぞれ、口を開けているものと口を閉じているものが配されていますが、これは「吐く息」と「吸う息」を表していると言われています。呼気と吸気は、陽と陰という対でもあり「あ」と声を発すれば「うん(ないし「ん」)」と受ける関係で、ここから「阿吽の呼吸」が、即座に呼応する関係を示す言葉となりました。
「あ」と言っただけで「うん」と即座に応答するほどにお互いに心が通じ合い、気心の知れた関係となっているので、これは「話が合う」や「馬が合う」という関係と同じ意味、ないしはそれ以上に強い意味になります。
「話が合う」の対義語は?
「話が合う」と反対の意味を持つ言葉としては、以下のようなものがあります。
「水と油」
水と油はいっしょに容器に入れてもすぐに上下に分離してしまうもの。いくら混ぜても結局は二つにわかれてしまい互いに交わることがないので、人間関係で「水と油」と言えば、性質が違いすぎてお互いに理解し合えない関係を指します。
水と油は、ただ単に理解し合えないだけでなく、しばしば険悪な雰囲気となることがあるので大変ですね。
「犬猿の仲」
「水と油」の性質の違いは険悪な関係を生みますが、その雰囲気を端的に表す言葉に「犬猿の仲」があります。
犬と猿が実際に仲が悪いかどうかには諸説ありますが、干支(えと)にからむ話として、犬と猿が仲が悪くなった因縁の伝説が残されているようです。
人間関係で言えば、顔を合わせれば言い争いばかりしているような関係は「犬猿の仲」ですが、干支の話では、犬(戌)と猿(申)のけんかに対して、鳥(酉)が仲裁に入っていて、十二支では申、酉、戌と、犬猿の間に鳥が入っています。
ちなみに桃太郎伝説でお供をしたサル、キジ、イヌは、この十二支の申、酉、戌という、順番に並んだ三者を連れて行ったものだという説がありますね。
「get on very well together」
「話が合う」は英語で「get on very well together」と表すことができます。互いにとても良い関係にある、ということです。例文も示しておきましょう。
\次のページで「「話が合う」を使いこなそう」を解説!/