
・営業職はつぶしがきくといわれるが、一生頭を下げる仕事なんて僕は敬遠する。
・パソコンのスキルはいろんな仕事に生かせる、つぶしがきくと就職指導の教師に言われた。
・つぶしがきかないけれど、化石が大好きな私は大学で考古学を学びたい。
いずれも職業・仕事に関した例文です。つぶしがきく・きかない、どちらにしても自分が希望する仕事に就きたいと思いますよね。しかしながら将来の夢が叶う人は多くないでしょう。お金を儲けるのはなかなか大変なこと、合わない職場・人間関係・取引先とのいざこざなど苦労とストレス満載。自分ならつぶしがきく、辞めてやる!と思っても、家族や様々な事情で簡単に辞められないものです。
「応用が利く(おうようがきく」:ほかのことにも使える
「応用」は知識や道具・原理などを実際の事柄に当てはめて使うこと。「応用が利く」とは持っている知識や道具などを実際に適応・使ってみて、役立つ・発揮する、といった意味になります。使い方は「技術の授業で習った知識に応用を利かせて小屋を作った」「一人キャンプに便利、応用が利く紐の結び方」などです。
「オールラウンド」:ひととおり何でもできること
「オールラウンド」は多方面にわたっていろいろ出来ること。守備も攻撃も上手なサッカー選手を「オールラウンドプレイヤー」と称えたりしますね。「成績が良く、スポーツ万能、料理も出来るオールラウンドな男性だ」のように使います。ちなみに「オールマイティ」は万能、何でもよくできることです。
「汎用性(はんようせい)」:幅広く使える
「汎用性」とはいろんな用途・分野に適用・利用できることです。幅広く使える例としてよく万能ナイフが挙げられますね。言葉でいえば「やばい」などは喜怒哀楽すべてに使える表現のため「汎用性が高い」といえるでしょう。またメーカーを問わずどんな機種でも使える製品を「汎用品」といいます。
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「つぶしがきく」の対義語はなんだろう?

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「つぶしがきく」の反対語は当然「つぶしがきかない」こと、言い換えれば専用・専門ですね。ひとつ突出した能力・機能といった言葉をご紹介しましょう。
「類(たぐい)まれな」:めったにないこと
「類まれな」は漢字で「類稀な」と書き、めったにないことです。度合いが大きいことを表すので、良いこと悪いこと双方に用いられます。使い方は「彼女は類まれな文才を持っている」「類まれな凶悪犯、ついに逮捕」などです。
「特殊(とくしゅ)」:性質が特別であること
「特殊」とは性質・内容などがほかと大きく違うこと、専門・専用であること、限られたことにしか当てはまらないことなどの意味です。「抗生剤がきかない特殊なウイルスだ」「彼は特殊車両の運転免許を取得している」「年に数回しか見られない特殊な自然現象」と使います。
「つぶしがきく」の英訳は何だろう?

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それでは「つぶしがきく」は英語でどう表現するのでしょうか。直訳的なら、市場向けの・需要ある技量といった「marketable skill」です。「market」市場に、可能の「able」をつけた「marketable」は売り物になる・人気がある、などの意味。「skill」は日本語でもおなじみ「スキル」で技能のことです。「He has a marketable skill.(彼はつぶしがきくスキルを持つ)」と使います。
ここではより簡単で汎用性がある「useful」を説明しますね。
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