端的に言えば、息が合うの意味は「調子がぴったり合うこと」です。日常でもよく使う、さして難しくない言葉ですが、なぜ「息」なのかわかるか。
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。「息が合う」の意味をチェックし、例文や類義語などを見ていきます。
ライター/ユーリ
日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。
「息が合う」の意味
まず、国語辞典で「息が合う」の意味をチェックしましょう。
物事を行う調子や気分がぴったり合う。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「息が合う」
「息が合う」とは「物事を行う調子や気分がぴったり合うこと」です。では、なぜそれを「息」という言葉で表現するのでしょうか。「息」についても国語辞典で意味を見ておきましょう。
1 口・鼻から空気を吸ったり吐いたりすること。また、吸う空気や吐く空気。
2 二人以上で何かをする場合の、相互の気持ちのかねあい。調子。呼吸。
3 芸事の要領・こつ。
4 ゆげ。蒸気。
5 音声学で、声帯の振動を伴わない呼気。ごくまれには吸気も含む。
6 いのち。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「息」
「息」にはいろいろな意味がありますね。「息」は、一般的には1の「口や鼻から空気を吸ったり吐いたりすること」という意味ですが、2を見ると「二人以上で何かをする場合の、相互の気持ちのかねあい」「調子」「呼吸」という意味があるのがわかります。「息が合う」とは、二人以上で何かをする場合の、相互の気持ちがぴったり合うこと、つまり「物事を行う調子や気分がぴったり合うこと」なのです。
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「息が合う」の使い方
例文で「息が合う」の使い方を見ていきましょう。
1.ストリートピアノで息が合った演奏を披露していた女性たちが、今日初対面だと聞いて驚いた。
2.友人夫婦とテニスを楽しんだ。長年連れ添った彼らは、プレーのときもぴったり息が合っていて、私たちはまったく歯が立たなかった。
最初の例文は、ピアノの連弾で調子がぴったり合っていた女性たちが、会ったばかりと知ってびっくりしたという意味です。何年つきあっても苦手な人もいれば、初対面でも息が合う人がいるものですね。
2場番目の例文は、仲の良い友人夫婦はテニスのときも気が合っていて、私たちは負けてしまったという意味です。ペアや団体で行うスポーツでは、個々の技術も大切ですが、チームワークも大切ですね。
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「息が合う」の類義語
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「息が合う」と同じような意味あいの言葉には、どのような言葉があるのでしょうか。「気が合う」「肌が合う」「馬が合う」など類義語はたくさんありますが、その中から三つ解説しましょう。
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