
3分で簡単逆2乗の法則!どんな例がある?理系学生ライターがわかりやすく解説
逆2乗の法則は、物理を学んでいると頻繁に目にする法則の形です。力学、電磁気学、光学などでこの形の法則が登場します。今回は、物理学においてなぜ逆2乗の法則を何度も見かけるのかを考察してみる。ぜひ、この機会に、逆2乗の法則に対する理解を深めてくれ。
塾講師として物理を高校生に教えていた経験もある通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻しており、物理学も幅広く勉強している。塾講師として物理を高校生に教えていた経験から、物理の学習において、つまずきやすい点や勘違いしやすい点も熟知している。
逆2乗の法則とは?

image by Study-Z編集部
物理学を勉強していると、様々な法則や公式に出会います。その中には、数式で表現されたものも数多くありますよね。ある程度、物理学を勉強したことがある方はわかると思いますが、これらの数式にはある傾向があるのです。
その傾向とは、ほとんどの数式が比例、反比例、勾配(微分)などの組み合わせで記述されているということですよ。例えば、運動方程式F=maやバネの伸びF=kxなどは比例の式、ボイルの法則pV=(一定)などは反比例の式、ニュートンの冷却の法則dQ/dt=αSΔTなどは勾配(微分)を含む式ですよね。このように、物理学の法則や公式でよく目にする式の形がいくつかあります。不思議ですよね。
そして、逆2乗の法則も物理学で頻繁に登場する式の形の一つです。逆2乗の法則は、y=a/(x2)の形で表されます。ここで、aは比例定数です。この記事では、物理学において、逆2乗の法則をよく目にする理由を考察します。そして、逆2乗の法則には、具体的にどのようなものがあるのかということも確認してみましょう。
なぜ逆2乗の法則が多いのか?

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物理学において、3次元の空間内にひとつの粒子や物体を置き、周囲にどのような場や力が生じるかを考える機会はよくありますよね。ここでは、このような状況を一般化して、考察します。3次元空間内に、あるエネルギー源をひとつ配置するという状況を仮定してみましょう。そして、エネルギー源からは全方位にエネルギーが放出・放射・発散しているとします。厳密には、エネルギーという言葉の使い方を誤っているかと思いますが、逆2乗の法則の説明には支障をきたさないので、このまま議論を進めましょう。
図のように、エネルギー源を中心として半径rの球面を考えます。このとき、球面の表面積は4πr2となりますよね。エネルギー源からすべての方向に均等にエネルギーが放出されているとすると、エネルギー源から距離rの場所における通過エネルギー密度はE/(4πr2)となります。ここで、Eはエネルギー源から放出される全エネルギーを表していますよ。
通過エネルギー密度の式E/(4πr2)より、通過エネルギー密度の大きさは距離の2乗に反比例することがわかりました。この理論は、3次元空間中に1つの粒子などが存在する場合、あらゆる場面で適応することができます。これが、物理学において、逆2乗の法則が頻繁に登場する理由になりますよ。
逆2乗の法則の例
ここからは、逆2乗の法則の具体例をいくつか紹介します。先ほど説明した、物理学において逆2乗の法則が頻繁に登場する理由を頭の隅に置きつつ、読み進めてみてください。
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