
端的に言えば「芸が細かい」の意味は「配慮が細部にまでなされていること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
教材系のライターを10年経験した梨子なしこ太朗吉を呼んです。一緒に「芸が細かい」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/梨子なしこ太朗吉
本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽誌まで、娯楽と言葉と実用をむすびつけることを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。
「芸が細かい」の意味は?
「芸が細かい」には、次のような意味があります。
1.細部にまで注意が払われていて綿密である。
2.することに念が入っている。
出典:goo辞書
何かを作る芸にしても、する芸にしても、いずれにせよ、細部にこだわり注意が行き届いていて念入りなものやことが「芸が細かい」ものです。職人や芸人、芸術家の技量と執念がそこには見られるでしょう。
ただ、芸を鑑賞する立場の人は評論家ではないので、そんな細部へのこだわりは理解できなくともよいのだと思います。芸に接して心地よくなり、楽しくなり、心に響くものがあればそれでよいものです。恐らく受け手の側にうなるような興奮がある場合に、作り手の側の芸が細かいということが後からわかる、それが芸というものでしょう。
「芸が細かい」の語源は?
次に「芸が細かい」の語源を確認しておきましょう。
「芸」とは技芸を指し、熟練によって到達できる美の世界です。物を作る場合もありますし、なにかを演じて見せたり聞かせたりする場合もあります。
「細かい」というのは、素人には気づくことのできないような細部へのこだわりの芸を指すものです。見えないところに絶妙な細工を施すのも「芸が細かい」ものだと言えましょう。
そして「芸が細かい」となると、玄人の職人や技術者、芸能家、芸術家が、きわめた技芸を尽くして細部や見えないところにまで配慮をして物や芸を作り上げていくさま、ということになります。
「ううん、これは芸が細かい!」とうなりながら鑑賞する愉しみが、受け手の側に出てくるわけです。
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