
端的に言えば「懐が寒い」の意味は「所持金が少ない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
教材系のライターを10年経験した梨子なしこ太朗吉を呼んです。一緒に「懐が寒い」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/梨子なしこ太朗吉
本や雑誌を作り続ける文章職人。参考書から音楽誌まで、娯楽と言葉と実用をむすびつけることを自らも楽しみつつ、分かりやすく伝える。
「懐が寒い」の意味は?
「懐が寒い」(ふところがさむい)には、次のような意味があります。
所持金が少ない。懐が寂しい。
出典:goo辞書
所持金が多ければ懐があたたかい、所持金が少なければ懐が寒い、ですね。
お金が少なければ心も寒くなりがちです。とくに冬はこたえます。お金がなければあったかい食べ物も、暖を取るための燃料も買えないのです。
でも夏でも持ち合わせが少なければ「懐が寒い」ということにはなります。どんなに日が照っていて暑くてもです。
「懐が寒い」の語源は?
次に「懐が寒い」の語源を確認しておきましょう。
まず「懐」は、着物の内側の胸に当たる部分。むかしは和服で、ここに財布やお金を入れて持つことが多かったのです。
「寒い」は「さびしい」と同様で、物などがなくて頼りない様子を表しています。
この「物」が所持金であれば、金がなければとっさの出費もかないませんし、ちょっと食べ物を食べたいと思ってもそれもできないので、その頼りないさまを「寒い」と表現するわけです。
そこで「懐が寒い」は、手持ちのお金が少なくて出費への備えがない状態なので頼りなく不安なさま、ということになります。
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