熱力学物理理科

5分で分かる「熱力学第三法則」エントロピーやカルノーサイクルを用いて理系ライターがわかりやすく解説!

カルノーサイクルの熱効率

カルノーサイクルの熱効率

image by Study-Z編集部

から、カルノーサイクルでは低温側、高音側ともに熱量と温度の比率Q/Tが同じであることが分かりますね。カルノーサイクルは理想的な状態であり、実際は捨てる熱量Q2がもう少し大きくなるため、エントロピーは増大します。

トムソンの法則orケルビンの法則

上記のように、カルノーサイクルの熱効率から導き出せる法則があるので触れておきましょう。熱力学第二法則の1つ「トムソンの法則(またはケルビンの法則)です。外部からの熱を100%仕事に変換することは不可能であることを述べたもの。

これは上述のカルノーサイクルの熱効率の式から導き出せますね。「外部の仕事を100%仕事に変換する」ということは熱効率が100%ということです。しかしこれを成立させるためには低温側は絶対零度でなければいけません。しかし絶対零度は現代の最新技術を以っても実現できないため、熱効率100%は不可能と言えるでしょう。

絶対零度への挑戦

そもそも、物体を冷却するためにはそれよりも温度が低い物体が必要になります。絶対零度まで冷却しようとしても、それより温度が低い物体が存在し得ない以上、冷媒を使って何かを絶対零度まで冷やすのは不可能です。

しかし、地球上では1/10億Kという限りなく絶対零度に近い温度が実現されています。宇宙で最も冷たい場所が-270±1℃程度、絶対零度より2~4℃ほど高い温度なので、上記の地球で作りだされる低温の記録はまさかの「宇宙記録」でもあるわけです。

では一体どのような技術でそこまでの低温にまで冷却するのか?使われているのは「レーザー」の技術。原理は簡単で、冷やしたい物質の原子にレーザー(光線)をぶつけて、原子の速度を落とさせて運動エネルギーを奪う手法。原子の動きを妨害し止めているだけです。温度は原子の運動エネルギーで定義されますから、レーザーを当ててどんどん運動エネルギーを奪っていけば結果的に冷却されるわけです。しかし、原子の運動を完全に止めるには至っていないため絶対零度には到達していません。

\次のページで「4.熱力学第三法則~エントロピーと結晶構造」を解説!/

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