
5分で分かる「ウラシマ効果」浦島太郎はなぜおじいちゃんに?この物理現象を理系ライターがわかりやすく解説
6.竜宮城は光速速移動中?
竜宮城のような時間の進み方を実現するためにはほぼ光速度で移動中であることを意味します。さて、新幹線、飛行機および竜宮城(仮)の速度および時間遅れを見てみましょう。ただし竜宮城は静止系の365倍ゆっくり時間が流れるものと仮定(現実の30年が竜宮城では1か月と仮定)。光速度をちょうど秒速30万キロ、地球を静止系としているため数字は目安であり正確ではありません。
現実世界でお馴染みの新幹線や飛行機での時間遅れは微々たるもので、新幹線は79万3千年、飛行機は10万5千年ほど乗車していると静止系より時計が1秒遅れる計算。
一方、静止系の365倍という超ゆっくり時間が流れる竜宮城(仮)は速度が尋常ではない。光速度の99.999625%で移動している計算。つまり、ウラシマ太郎で描かれているような時間遅れを発生させるためにはほぼ光速度で移動する必要があるのです。実際に計算してみると衝撃の結果ですね。竜宮城(仮)の速度はロケットや人工衛星をはるかに上回る速度で、地上でそのような速度を出すと重力を振り切って地球外に出ていき二度と帰ってくることは出来ません。遠心力が強すぎるため地球外に投げ飛ばされてしまうためです。そんな強い遠心力を持っていても投げ飛ばされない天体・惑星は引力が超強力なブラックホールのみでしょう。
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竜宮城は超過酷な環境
外界に比べて時間がゆっくりと進む世界。それを実現するためには、ほぼ光速度に近い速度を持つ必要があります。仮に本当にそんな速度を持っていたら遠心力が強すぎるため地球に留まることは出来ません。
時間がゆったりと流れる「ゆるい」イメージを持ちがちな「竜宮城」、高速移動をする超過酷な環境を作らないと実現しません。