3分で簡単「時間の遅れ」タイムトラベルを実現するためには?理系ライターがわかりやすく解説
光速度不変の原理原理
どんな系でも共通なのは光速度のみで、時間は系によって辻褄を合わせるかのように変化してしまいます。なぜ辻褄を合わせる必要が出てくるのでしょうか?
4.時間遅れを語る上での大前提
速度を持つ系では時間が遅れますが、その解説に入る前に予備知識を整理しておきましょう。
4-1.距離、速さ、時間の関係
算数で出てくる公式である「距離=速さ×時間」。これはどんな場合も例外なしです。速さが一定で距離が長くなれば時間もは長くなります。ちなみに光速度(30万km/秒、1秒間で地球7周半進む速さ)はcで表されることが多いです。この光速度は宇宙で最も速い速度であり、これ以上速いモノはないとされています。
4-2.相対速度
image by Study-Z編集部
同じ動きを観測していても、観測する基準によって速度や移動距離が変わってきます。例えば、Aさんが時速21kmで壁と平行に走りながら時速72kmで壁に向かってボールを投げたとしましょう。Aさんからみるとボールの速度は?時速72kmですね。では止まっている人から見たボールの速度は?そもそも止まっている人から見たらボールは壁に真っ直ぐ向かっておらずAさんと共に横方向にも時速21kmで動いていますね。イラストに示す斜め方向に向かっておりその速度は三平方の定理から時速75kmとなります。このように、同じ動きを捉えていても系(観測する基準)によって速度は異なるもの。
4-3.異なる系から見た移動距離
image by Study-Z編集部
前項で壁までの距離が24mだったとしましょう。ボールが壁にぶつかるまでの移動距離は何mでしょうか?まずAさんから見るとボールは真っ直ぐ壁に向かって行ったように観測されるためボールの移動距離は24m。一方静止状態から観測するとボールは斜めに投げられたのだから作図より移動距離は25mと求まりますね。横方向に動いているAさんからしたら、横方向の動きは無視出来るため速度も移動距離も壁なら垂直な向きのみとなりますが、静止している人から見ると横方向の動きも考慮する必要があり速度も移動距離も長く観測されます。
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