3分で簡単「時間の遅れ」タイムトラベルを実現するためには?理系ライターがわかりやすく解説
さて実現可否は置いといて、タイムトラベルを成立させるためにはどんな条件が必要なのか見ていこう。
ライター/R175
関西のとある国立大の理系出身。
1.タイムトラベル
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結論から言うと、過去へのタイムトラベルは不可能であり、未来一方通行のタイムトラベルのみ可能です。ここで言う可or不可は「物理学的に説明可能かどうか」であり、実際にそれを実現する設備が準備できるかどうかは別問題。さて、なぜ過去へのタイムトラベルが不可能かというと、アインシュタインの相対性理論に反するから。
タイムトラベルする方法の一つに「高速移動をする」という方法が考えられますが、過去へのタイムトラベルを実現するためには光速度より速く移動するor虚数速度を発生させる必要があります。一方、相対性理論によれば、光速度より速い物体はないとのことであり、「高速移動」をすることによる過去へのタイムトラベルは不可能です。
一方、未来一方通行のタイムトラベルなら原理上は可能。なぜなら、こちらは光速度より遅くても実現するため。ただし、「未来一方通行」ということは一度未来に行ったら帰ってこれないということ。未来の情報を知ることは出来ますが、それを現在にフィードバックすることは出来ません。
2.タイムトラベルの原理~時間遅れ~
タイムトラベルの原理としてよく語られるのが「時間遅れ」です。簡単に言うと、超高速移動をすれば高速移動している系では時間の進み方がゆっくりになるという現象。静止系では1秒経っていても、高速移動する系では実は0.9秒しか経ってないとか、全く時間が経過していないという現象が起こり得ます。ゆっくりに感じるではなく、本当にゆっくり進みむものでその系に時計を持っていくと時計が遅れていく。これは時計が壊れたのではなく、本当に時間の進行がゆっくりになっているということ。
3.なぜ速度を持った系では時間が遅れるのか?
本来は1秒経っているのに、動いてる系では1秒経っていない=時間が遅れるのです。なぜでしょうか?順を追って見ていきましょう。
系とは?
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系とは「観測する基準」のこと。例えば、踏切で待ってAさんから見た場合を系A、電車に乗っているBさんから見た場合を系Bとしましょう。時速10kmで電車と同じ方向に進む自転車は系Aから見ると右向きに時速10km、系Bから見ると左向きに時速50km。距離や時間、速度を議論する時はどこ基準で見るかを決める必要があり、その基準のことを系と呼びます。系は静止状態とか電車の中とか自転車だとイメージしてください。
相対性理論
簡単に言うと、速度を持った系では静止した系より時間が短く観測されるという話。
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