「是是非非」
もう一つの類義語には、「是是非非(ぜぜひひ)」があります。正しいことと悪いことをそのまま認めることや公正に善悪を判断することという意味です。「是」は正しいこと、「非」は正しくないことで、「是を是とし非を非とす」と訓読します。
客観的であることや私情を交えないことをやや強調した意味合いがありますよ。また、「是非曲直」に対して、「是是非非」のほうは正しいことと正しくないことを判断するところまでが意味に含まれています。
「是非曲直」の対義語は?
次に、「是非曲直」の対義語についての説明です。考え方やとらえかたによって対義語は違ってくることはありますが、例として二つの対義語を一緒に見ていきましょう。
「邪正一如」
「是非曲直」の対義語には、「邪正一如(じゃしょういちにょ)」があります。意味は、邪と正はもとを正せば同じところからでていて、結局同一のものであるということです。「一如」とは一つであるということを表しています。
「邪正一如」は仏教語であり、同じく仏教語の「善悪不二(ぜんあくふに)」も似た意味の言葉となっていますよ。
「玉石同砕」
もう一つの類義語には、「玉石同砕(ぎょくせきどうさい)」があります。善悪、賢愚の区別なく全て滅びなくなることという意味です。「玉石同(とも)に砕く」と訓読し、宝石も石ころも同じように砕けてなくなってしまうということがもとになっています。
善と悪の区別をしたところで全てなくなってしまうのはどちらも同じということから、対義語として紹介しました。
「rights and wrongs」
「是非曲直」の英訳には、「rights and wrongs」があります。直訳すると「正しいことと悪いこと」です。「曲直」として使ったり、「白黒はっきりさせる」という場合の「白黒」の部分で使うこともできます。また、後ろに「of a case」をセットにして使うこともありますよ。
その他、「relative merits」があります。「優劣」という意味で使われることが多いのですが、場面によって使い分けられるよう複数の表現を用意できているといいですね。
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