化学理科

5分で分かる「エンタルピー」熱含量とは?メリットは?理系ライターがわかりやすく解説

状態量ではない数値

状態量の定義を言われてもあまりピンと来ませんが、逆に状態量でない数値についての説明を聞くと意外とピンときます。先ほどの気体が外部にした仕事は、状態量ではありません。それは、最終状態が同じ(圧力P2、体積V2)であってもそこに至るまでの経路によって値が変わるから。最終状態での値のみを測ったところで値が分からないのが特徴です。キッチリ調べるためには途中どんな圧力、体積、温度等を辿ってきたのか履歴を事細かに調べる必要があります。

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状態量ではないパラメータは、最終状態で測ったところで値が分からない熱力学第一法則で登場する熱量や仕事も状態量ではないので、最終状態で計測しても数値は分からない。そこで熱力学第一法則を状態量のみで表そうとする時に力を発揮するのエンタルピー

4.エンタルピー

エンタルピーHおよびその変化量は以下の通り。

image by Study-Z編集部

熱力学第一法則に似ているような違うような形

単位はJ(ジュール)であり、熱量と同じです。最も大きな特徴は登場するパラメータが全て状態量であること。両辺を(全)微分すれば右辺の第一項はΔUとなり熱力学第一法則に近い形に。仮に圧力一定であれば右辺=内部エネルギー変化+PΔVとなり、これは気体に与えた熱量dQそのもの。定圧変化に限っては同じ形となります。

熱量の変化量≠エンタルピーの変化量

エンタルピーは内部エネルギー+PVと人工的に定義したもので、単位も同じで似た形ですが、全く同じではありません。気体に与えた熱量に近いニュアンスのパラメータで且つ状態量で表せるのがエンタルピーの変量です。

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