化学理科

5分で分かる「エンタルピー」熱含量とは?メリットは?理系ライターがわかりやすく解説

気体がする仕事

気体がその場にある限り、ある圧力で周囲に力をかけて押しのけていて、その状態で膨張すれば周囲に仕事を加えたことになります。例えば圧力P、表面積S、体積Vの気体が圧力Pを保ったまま体積がΔVだけ増えて膨張したとしましょう。気体から周囲に働く力はPS気体の形を球形だとすると、Δrだけ押すので仕事はPSΔrここでSΔrはΔVに相当するので、気体が周囲にする仕事はPΔVとなります。仮に、気体が球形ではないとしても、表面積×押した距離は体積変化ΔVを表すので、気体膨張で周囲にする仕事はPΔVです。

因みに、圧力Pが一定で気体が圧縮される場合は体積変化ΔVが負の値となるため気体が周囲にする仕事も負の値(周囲から気体仕事される)となります。

経路により異なる

経路により異なる

image by Study-Z編集部

気体が周囲にする仕事ですが、これは経路により異なります経路とは?例えば圧力P1、体積V1の気体を圧力P2、体積V2にするまで途中どのように圧力、体積等を変えたかということ。前述では圧力一定条件で考えましたがそうでない場合、気体が周囲にする仕事はどうなるか?仕事は圧力Pを体積で積分した値、グラフで塗りつぶしたエリアの面積となります。縦がP、横がΔVの無数の小さな長方形の面積を足し合わせたものです。圧力一定であれば仕事はPΔVですが、途中で圧力を変化させていれば異なる値に。仕事をした後の気体の圧力や体積、温度を測定したところで途中の経路が分からないと仕事Wはいくらか分かりませんね。

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お馴染みの式、熱力学第一法則に出てくる気体が「外部にした仕事」が状態量ではない。どんな変化を辿ってきたのか経路によって値が変わってしまうため、気体の「今測れる」物性値(圧力、温度、体積など)を測ったところで式を書くことが出来ない。ところで、そもそも状態量とは何なのか?
 

2.状態量

状態量とは気体が辿ってきた変化に関わらないパラメータ。例えば温度、圧力、体積、質量などこれらの数値は気体がどんな変化を辿ってきたかに関わらず、今現在圧力P2、体積V2であれば経路によって違う値になることはありません。

内部エネルギーは状態量?

内部エネルギーは分子の運動エネルギーと位置エネルギーの総和。関係するのは質量と速度と変位。これらは経路に関わらず同じなので状態量であり、その組み合わせで表される内部エネルギーも状態量です。

 

理想気体の内部エネルギー

内部エネルギーは気体が持つ力学的エネルギー。具体的には運動エネルギーと位置エネルギーの総和。気体分子間の相互作用を無視できる「理想気体」では内部エネルギー=運動エネルギ。運動エネルギーは絶対温度に比例する関数です。

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