

端的に言えば秋波を送るの意味は「媚びを売る」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は広告会社で経験を積み、文章の基本と言葉の使い方を知るライターのHataを呼んだ。一緒に「秋波を送る」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/Hata
以前は広告会社に勤務しており、多くの企業の広告作成経験を持つ。相手に合わせた伝え方や言葉の使い方も学び、文章の作成や校正が得意。現在はその経験をいかし、ライターとして活動中。
「秋波を送る」の意味は?
「秋波を送る」には、次のような意味があります。
1.異性の関心をひこうとして色目を使う。
2.自分の利益のために相手の関心をひこうとする。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「秋波を送る」
「秋波を送る」とは、「しゅうはをおくる」と読む慣用句。「秋波」を“あきなみ”や“あきば”、“あきは”と読むのは誤りなので読み方には注意しましょう。
1の意味で色目を使って女性が男性に近付くときに用いられがちですが、実際には性別にかかわらず使うことができます。さらにそこから個人ではなく団体や国家に対して使うようにもなり、2の意味でも用いられるようになりました。
なお見た目が似た言葉に「秋風を送る」という慣用句もありますが、こちらは“物事をおしまいにする”という意味。内容がまったく違うため、誤用しないように気をつけておきましょう。
「秋波を送る」の語源は?
次に「秋波を送る」の語源を確認しておきましょう。この言葉は中国語に由来しています。
「秋波(しゅうは)」とはもともとは中国語。夏が終わる頃の、少し冷えた風が水面に波を起こす様子として、“秋の澄みきった水の波”を意味します。それが転じて“美人な女性の涼やかな目元”のたとえとなり、これが段々と“男性の気を引くための色っぽい目つき”を意味するようになりました。
この言葉が発展し、現在では“媚びを売る”というニュアンスで性別問わず使われるようになったのです。
なお「送る」という言葉は“物事を届ける”という意味から、“相手のもとに気持ちが伝わる様子”という意味もあります。
「秋波」を「送る」ことで“媚びを売る感情が相手にも伝わるようにする”のが「秋波を送る」です。
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