
「抜苦与楽」の使い方・例文
「抜苦与楽」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。文法的な面もチェックしていきますよ。
1.現代は法や科学によるところは大きいが、人間が幸せに生きるには抜苦与楽の考えも大切だ。
2.一人ひとりが抜苦与楽に基づく慈悲の心を持てば、世の中は変わるのではないだろうか。
例文1.は、事実を法や科学で証明していくことが多い世の中ですが、心の問題としては慈悲の心が大切だということを表しています。例文の2.のほうは、一人ひとりが慈悲の心を持つことで、世の中の問題や懸案事項は少しでもいい方向に向かうのではないかという意味を表した文です。
文法的に見てみると、「抜苦与楽の…」「抜苦与楽に…」とも四字熟語を名詞として使っており、ともに一般的な表現のしかたになっています。
「抜苦与楽」の類義語は?違いは?

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それでは、「抜苦与楽」の類義語についての説明です。「抜苦与楽」は、もともと仏語であるため類義語も仏語となりますが、一般的にも通じる表現なので一緒に見ていきましょう。
「大慈大悲」
「抜苦与楽」の類義語には、「大慈大悲(だいじだいひ)」があります。意味は、仏の限りなく大きな慈しみのことです。「大慈」は仏がこの世に生きるすべてのものに楽を与えること、「大悲」はこの世に生きるすべてのものの苦を取り除くことを表しています。
「抜苦与楽」と「大慈大悲」は、言い換えて使うこともあるほど密接な結びつきのある表現なので、類義語と言える四字熟語です。
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