この記事では「波に乗る」について解説する。

端的に言えば、波に乗るの意味は「勢いに乗る」ことです。もちろん海の波に乗るという意味もありますが、それ以外の意味やニュアンスも覚えておくと、ビジネスシーンなどでも応用できるぞ。

日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「波に乗る」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

「波に乗る」の意味・例文と使い方

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「波に乗る」というと、ビッグウェーブに挑むサーファーの姿が思い浮かぶのではないでしょうか。しかし、「波に乗る」という言葉には、海の波に乗るというだけでなく、ほかにも意味があるのですよ。

「波に乗る」の意味は?

ではまず、辞書で「波に乗る」を調べてみましょう。

1. 波の流れに乗る。
2. 時の流れにうまくあう。時代の風潮・時勢にあって栄える。
3. 調子に乗る。勢いに乗る。

出典:精選版 日本国語大辞典「波に乗る」

「波に乗る」は1.の「海や川の流れに乗って船などが進む様子」が、もともとの意味です。「波」という言葉は、風などによって海や川の水面の高さが変わることから、転じて「個人ではどうしようもない変化が、次々に生じる」という意味もあります。そこから2.の「時代の流れにうまくあう」「時代の風潮にあって栄える」や、3.の「調子に乗る」「勢いに乗る」を意味する言葉になりました。

「波に乗る」の例文と使い方

次に「波に乗る」を使った例文を見てみましょう。

\次のページで「「波に乗る」の類義語」を解説!/

1.イギリス人冒険家ジェームス・クックは、タヒチとハワイで見たサーフィンのことを航海日誌に何度か記している。ボードで波に乗る現地の人々の姿がよほど印象的だったのだろう。
2.祖父がはじめた旅館は、温泉ブームの波に乗り繁盛していたが、火山の大規模な噴火活動によって大量の溶岩が噴出したせいで、地元の町が被災し、お客が激減した。
3.明るい未来を目指して原子力エネルギー研究の道に進んだ彼は、当時は時代の波に乗っているつもりだったが、今や逆風にさらされている。

最初の例文は文字通りサーフィンで波に乗る様子を描いたものです。2番目は、かつては時代の流れにうまく乗っていたという意味ですね。3番目もかつては時勢にあっていたという意味です。

「波」を辞書で調べると、本来の意味以外に「物事の動向にムラがあって一定しないこと」「世の乱れ」「はかないもの、消えやすいもの」などの意味もあります。波はたえず変化し、変わっていくもの。やはりうまく「波に乗る」のは、とても難しいことなのでしょう。

「波に乗る」の類義語

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次に「波に乗る」の類義語を見てみましょう。類義語も、流れや風に乗るという意味の言葉が多いですよ。

「流れに棹さす」:物事が順調に進む

「流れに棹さす」は「ながれにさおさす」と読みます。「掉さす」は流れに逆らうみたいだから、「波に乗る」の反対語だろうと思った方はいませんか。船頭は、長い竿を水底にさすようにして、舟を水の流れに乗せて進めていきます。ここから「流れに棹さす」は、物事が順調に進むという意味で使われるようになりました。意味を間違えやすい言葉なので注意しましょう。

「時流に乗る」など:時代の風潮を利用する

「時流」とは、その時代の社会の風潮や思想のこと。時代の風潮を利用して、ことを進めていくこと「時流に乗る」と表現します。時の流れにうまくあっているという意味で「波に乗る」と同じ意味合いですね。「時代の潮流に乗る」「流れをつかむ」という表現もありますよ。

\次のページで「「上昇気流に乗る」「追い風に乗る」など:有利な状況」を解説!/

「上昇気流に乗る」「追い風に乗る」など:有利な状況

「上昇気流」は上向きの空気の流れのこと。タカやワシなどは、翼を羽ばたかせなくても、上昇気流を利用してどんどん高度を上げることができますね。運が向いて、物事が好調に運ぶ様子「上昇気流に乗る」と表現します。

「追い風」は後ろから進行方向に向かって吹く風のこと。「追い風」が吹いていれば、力強く進むことができ、動きも加速します。そこから「追い風に乗る」は比喩的に、物事が順調に進むという意味で使われるようになりました。「追い風を受ける」も同じように使います。

「波に乗る」の反対語

次に「波に乗る」の反対語を見てみましょう。

「逆風にさらされる」:不利な状況

「逆風」は順風の反対語。前に進むのに不利な、進行方向から吹く風、つまり向かい風のことです。このことから「逆風にさらされる」は、「不利な状況にあること」や、「進行を妨げられていること」を表現する言葉になりました。

「足踏みする」:停滞する

「足踏み」は同じ場所で両足を交互に踏むこと。それが「物事が進行せず、ずっと同じような状態が続いている」ことを意味する言葉になりました。「梅雨のせいで工事が足踏み状態」のような使い方をします。

「波に乗る」の英訳は?

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次に「波に乗る」の英訳を見てみましょう。英語でも「wave」(波)という言葉を使って、時代の波に乗るという意味を表現していますよ。

\次のページで「「ride on the crest of the wave」」を解説!/

「ride on the crest of the wave」

「crest」は「波がしら」という意味があり、ride on the crest of the waveでは「波に乗る」「好調の波に乗ってうまくいく」という意味になります。

「ride the wave」

「ride the wave「波に乗る」という意味。「ride a wave of popularity」は「人気の波に乗る」、「ride a wave of growth」は「成長の波に乗る」という意味ですね。

「catch the wave」

「catch the wave「時代の流れをつかむ」「時流に乗る」という意味で、「wave」を使った慣用句ですよ。

波に乗れるまで、めげずにがんばりましょう!

この記事では「波に乗る」の意味・使い方・類義語などを説明しました。

「波に乗る」は「流れに乗って船が進む」ことが、もともとの意味です。そこから「時代の流れにうまくあう」「時代の風潮にあって栄える」や、「調子に乗る」「勢いに乗る」を表現する言葉になりました。類義語には「流れに棹さす」「時流に乗る」「上昇気流に乗る」「追い風に乗る」などがあります。

人生には何もやってもうまくいかないときもありますが、やがて風向きが変わったり、良い波がきたりするはずです。それまでめげずにがんばりましょう。

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国語言葉の意味

「流れに棹さす」と同じ?「波に乗る」の意味・例文・類義語などを日本放送作家協会会員がわかりやすく解説

この記事では「波に乗る」について解説する。

端的に言えば、波に乗るの意味は「勢いに乗る」ことです。もちろん海の波に乗るという意味もありますが、それ以外の意味やニュアンスも覚えておくと、ビジネスシーンなどでも応用できるぞ。

日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「波に乗る」の意味や例文、類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

「波に乗る」の意味・例文と使い方

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「波に乗る」というと、ビッグウェーブに挑むサーファーの姿が思い浮かぶのではないでしょうか。しかし、「波に乗る」という言葉には、海の波に乗るというだけでなく、ほかにも意味があるのですよ。

「波に乗る」の意味は?

ではまず、辞書で「波に乗る」を調べてみましょう。

1. 波の流れに乗る。
2. 時の流れにうまくあう。時代の風潮・時勢にあって栄える。
3. 調子に乗る。勢いに乗る。

出典:精選版 日本国語大辞典「波に乗る」

「波に乗る」は1.の「海や川の流れに乗って船などが進む様子」が、もともとの意味です。「波」という言葉は、風などによって海や川の水面の高さが変わることから、転じて「個人ではどうしようもない変化が、次々に生じる」という意味もあります。そこから2.の「時代の流れにうまくあう」「時代の風潮にあって栄える」や、3.の「調子に乗る」「勢いに乗る」を意味する言葉になりました。

「波に乗る」の例文と使い方

次に「波に乗る」を使った例文を見てみましょう。

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