

端的に言えば「一泡吹かせる」の意味は「予想外のことをして驚かせること」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んだ。一緒に「一泡吹かせる」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。
ライター/ヤマゾー
ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で慣用句を解説していく。
「一泡吹かせる」の意味は?
「一泡吹かせる」には、次のような意味があります。
相手の不意をついたり、予想外のことをやってのけたりして、驚かせうろたえさせる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「一泡吹かせる」
「一泡(ひとあわ)吹かせる」は、良い意味で他人を驚かせる「サプライズ」だと思えば分かりやすいのではないでしょうか。「一泡」とは、相手の不意をつき、驚き慌てさせること。「泡」とは、口の端にでる唾液のあぶくのことを差しています。心臓が止まりそうなくらい驚いた時に人は泡を吹いてしまう様子から、不意に驚かせることを「一泡吹かせる」と表現するようになりました。
「驚かせる」というと、悪いことをしているような印象を持つかもしれません。しかし、相手が想像している以上の結果を出すということは、悪いことではないはずです。たとえば、強豪チームに「一泡吹かせる」ために、猛練習をして強くなったとしましょう。そして、試合当日に勝利できれば、それはお互い強さを高め合える良い関係だといえるはずです。そのため、「一泡吹かせる」は、ポジティブな意味として使われることが多い慣用句といえるでしょう。

よくある間違いで「泡を吹かせる」がある。「泡を吹かせる」は、人を驚き慌てさせること。つまり、ただ他人を驚かせたに過ぎない。対して「一泡吹かせる」は、不意をついて相手を驚かし慌てさせるという意味だ。「泡」と「一泡」の違いだけだが、意味は異なる。「一泡吹かせる」と「泡を吹かせる」は同義語ではない。混同しないように注意してくれよ。
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