この記事では「大慈大悲」について解説する。

端的に言えば大慈大悲の意味は「仏の限りなく大きな慈しみのこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「大慈大悲」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「大慈大悲」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「大慈大悲」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「だいじだいひ」です。四字熟語としての意味を確認したあと、語源や使い方などを詳しく見ていきますよ。

「大慈大悲」の意味は?

「大慈大悲」には、次のような意味があります。まずは、国語辞典での意味を確認して、そのあと漢字ごとの意味など詳しいところまでチェックしていきましょう。

1.広大無辺な仏の慈悲のこと。大慈悲。

出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「大慈大悲」

「大慈」とは仏が衆生(読み:しゅじょう、この世の中に生きるもの全てのこと)に楽を与えること、「大悲」は衆生の苦しみを救うということを表しています。

具体的には、生き物すべての苦しみを取り除き楽を与えるということですが、大きな意味で言うと「仏の限りなく大きな慈しみ」ということです。また、仏教の用語でもあり、ここでいう仏のことを特に観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を指すことがあります。「観世音菩薩」は、「観音菩薩(かんのんぼさつ)」「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)」「救世菩薩(くせぼさつ/ぐせぼさつ)」などの多数の別名をもっていますよ。

「大慈大悲」の語源は?

次に「大慈大悲」の語源を確認しておきましょう。

「大慈大悲」の由来は『三経義疏(さんぎょうぎしょ)』のひとつである『法華義疏(ほっけぎしょ)』とされています。『法華義疏』とは、聖徳太子が著したとされる法華経の注釈書のことです。その中には「従大慈大悲以下。歎外徳。言如来以大慈大悲。常無懈惓。」とありますよ。

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「大慈大悲」の使い方・例文

「大慈大悲」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。意味合いとしての使い方のほか、文法的な面から見た使い方についてもチェックしていきますよ。

1.大慈大悲の観世音菩薩さま、私が精魂込めて書いた書物が出版され書店に並びますよう、どうかお力添えを。
2.とくに有事の場合には、仏さまの大慈大悲の思想を少しでも実践できればと思う。

例文の1.は、観世音菩薩さまに自分が努力してきたことが実を結ぶことを懇願している状況を表しています。例文2.のほうでは、天災やトラブルなどの何かしら困る人が出てきたときにこそ、仏さまの心を見習いたいという文です。

文法的な使い方を見てみると、いずれも「大慈大悲の…」となっており、四字熟語をそのまま名詞として使っています。このような名詞としての使い方が一般的です。

「大慈大悲」の類義語は?違いは?

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それでは、「大慈大悲」の類義語についての説明です。広大無辺な仏の慈悲のことを表す「大慈大悲」に近い意味の四字熟語について、一緒に詳しく見ていきましょう。

「釈眼儒心」

「大慈大悲」の類義語には、「釈眼儒心(しゃくがんじゅしん)」があります。意味は、釈迦の目と孔子の心のことであり、慈悲や仁愛が深いことです。「釈眼」は釈迦の目のこと、「儒心」は孔子の心のことを著しており、仏教と儒教の両方の徳を備えているというニュアンスにもつながります。

仏教語でもある「大慈大悲」とは少しニュアンスに違いはありますが、意味はほぼ同じなので一般的に使う場合は類義語として扱うことができますよ。

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「霖雨蒼生」

もう一つの類義語には、「霖雨蒼生(りんうそうせい)」があります。苦しんでいる人に救いの手を差しのべることや慈悲深い人そのものという意味です。「霖雨」は長雨のことで生き物にとっての恵みの雨のこと、「蒼生」は世の人民のことを表しています。

苦しんでいる世の中の一般的な人々に対して恵みの雨となるような救いをすること、またその人のことを指すので、慈悲深い行いや慈悲深い人であると言えますね。

「大慈大悲」の対義語は?

次に、「大慈大悲」の対義語についての説明です。慈悲深いことを表す「大慈大悲」の対義語ですから、かなり残念な意味の四字熟語を紹介していくことになりますね。詳しくチェックしていきましょう。

「残忍酷薄」

「大慈大悲」の対義語には、「残忍酷薄(ざんにんこくはく)」があります。意味は、他人への思いやりがなくむごたらしい性質のことです。「残忍」はむごいことを平気ですること、「酷薄」は情けがなく残酷なことを表しています。

「残忍酷薄」は、人に救いの手を差しのべるような慈悲の心とは全く反対の意味になっていることから、「大慈大悲」の対義語と言えますね。

「人面獣心」

もう一つの対義語には、「人面獣心(じんめんじゅうしん)」があります。人情や慈悲の心がなく、恥などを知らない人という意味です。「人面」は人の顔や人の顔のようなもののこと、「獣心」は道理をわきまえない残忍な心のことを表しています。

もともとは中国の人が異民族に対して使ったことばということですが、言葉も通じず文化も違うと「人面獣心」と感じることがあったのかもしれませんね。

「大慈大悲」の英訳は?

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最後に、「大慈大悲」の英訳についての説明です。漢字で四文字の四字熟語について、英単語を使った近い意味となる表現を見ていきましょう。

「great compassion and mercy」

「大慈大悲」の英訳には、「great compassion and mercy」があります。直訳すると「大きな哀れみと慈悲」です。「compassion」は「同情、哀れみ」、「mercy」は「慈悲、情け、恵み」などの意味がありますよ。

その他、「慈悲の心」という意味合いを表現するなら、「a merciful heart」ということができます。名詞「mercy」の派生語として、「merciful(慈悲深い、情け深い)」は形容詞として使われている表現です。

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「大慈大悲」を使いこなそう

今回の記事では「大慈大悲」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「大慈大悲」の基本の意味は、広大無辺な仏の慈悲のことです。「大慈大悲」は仏語ではありますが、日本の場合、今と昔では宗教と生活の結びつきに随分違いがあります。そのため、仏語であっても、比較的一般的に使われている表現もあるはずですね。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「大慈大悲」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「大慈大悲」について解説する。

端的に言えば大慈大悲の意味は「仏の限りなく大きな慈しみのこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「大慈大悲」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「大慈大悲」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「大慈大悲」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「だいじだいひ」です。四字熟語としての意味を確認したあと、語源や使い方などを詳しく見ていきますよ。

「大慈大悲」の意味は?

「大慈大悲」には、次のような意味があります。まずは、国語辞典での意味を確認して、そのあと漢字ごとの意味など詳しいところまでチェックしていきましょう。

1.広大無辺な仏の慈悲のこと。大慈悲。

出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「大慈大悲」

「大慈」とは仏が衆生(読み:しゅじょう、この世の中に生きるもの全てのこと)に楽を与えること、「大悲」は衆生の苦しみを救うということを表しています。

具体的には、生き物すべての苦しみを取り除き楽を与えるということですが、大きな意味で言うと「仏の限りなく大きな慈しみ」ということです。また、仏教の用語でもあり、ここでいう仏のことを特に観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)を指すことがあります。「観世音菩薩」は、「観音菩薩(かんのんぼさつ)」「観自在菩薩(かんじざいぼさつ)」「救世菩薩(くせぼさつ/ぐせぼさつ)」などの多数の別名をもっていますよ。

「大慈大悲」の語源は?

次に「大慈大悲」の語源を確認しておきましょう。

「大慈大悲」の由来は『三経義疏(さんぎょうぎしょ)』のひとつである『法華義疏(ほっけぎしょ)』とされています。『法華義疏』とは、聖徳太子が著したとされる法華経の注釈書のことです。その中には「従大慈大悲以下。歎外徳。言如来以大慈大悲。常無懈惓。」とありますよ。

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