この記事では「江戸の敵を長崎で討つ」について解説する。

端的に言えば江戸の敵を長崎で討つの意味は「意外なところで仕返しをする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「江戸の敵を長崎で討つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「江戸の敵を長崎で討つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「江戸の敵を長崎で討つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「江戸の敵を長崎で討つ」の意味は?

「江戸の敵を長崎で討つ(えどのかたきをながさきでうつ)」には、次のような意味があります。

1.意外なところで、または筋違いのことで、以前の恨みの仕返しをする。

出典:goo辞典「江戸の敵を長崎で討つ」

「江戸の敵を長崎で討つ」には、意外なところや筋違いな事で、昔の恨みの仕返しをするという意味です。

江戸や長崎など、地名を含むことわざになります。

「敵」は『てき』ではなく、『かたき』と読んでください。また、「討つ」というのは、「打つ」や「撃つ」では誤りになってしまいます。

それぞれ、以下のような意味を持っている言葉です。

1.勝負や争いの相手。競争相手。
2.恨みのある相手。あだ。仇敵 (きゅうてき) 。
3.戦での相手。てき。
4.結婚の相手。配偶者。

出典:goo辞典「敵(かたき)」

1. 攻撃する。敵を攻めて滅ぼす。征伐する。
2.武器を用いて、傷つけたり殺したりする。

出典:goo辞典「討つ(うつ)」

「敵(かたき)」には、さまざまな意味がありますが、ここでは2つ目の「恨みのある相手」という意味で用いられています。また、「討つ」という言葉は、攻撃する、武器で殺傷するという意味です。正しい意味を表せるよう、用いる漢字や読み方は気をつける必要があります。

「江戸の敵を長崎で討つ」は、仕返しをするという意味を表す表現です。しかし、筋の通らない仕返しや、無関係に思われる場面での仕返しなどを表します。あまり良くない意味と用いられている訳ですね。

「江戸の敵を長崎で討つ」の語源は?

次に「江戸の敵を長崎で討つ」の語源を確認しておきましょう。

このことわざの由来として考えられているのは、見世物師たちの物語です。

大阪の1人の見世物師が江戸で竹細工の興行を行った際、江戸の見世物師を超える人気を得て、大成功しました。一方、同じころの大阪では、長崎の見世物師がオランダ船やギヤマン細工によって人気を高め、大阪の見世物師を圧倒したのです。

つまり、江戸で大成功した大阪の見世物だったが、大阪では長崎の見世物には負けてしまったと言えます。

そんな様子から「江戸の敵を長崎で討つ」という表現が使われていると考えられているのです。

「江戸の敵を長崎で討つ」の使い方・例文

「江戸の敵を長崎で討つ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私の方がテストで良い点を取ったけれど、彼氏を取られてしまった。江戸の敵を長崎で討たれてしまったよ。
2.課長の誘いを断ったせいか、会議で無視するなんて大人げない。江戸の敵を長崎で討たなくても良いのにね。
3.江戸の敵を長崎で討つというけれど、こんな事で仕返しされるとは思わなかったよ。

「江戸の敵を長崎で討つ」ということわざは、筋違いな仕返しを受けた人が使う事が多いです。自分の行動や勝利などに対し、周りから「え?こんなことで?」と思われるような事で仕返しをされるケースが当てはまります。

 

\次のページで「「江戸の敵を長崎で討つ」の類義語は?違いは?」を解説!/

「江戸の敵を長崎で討つ」の類義語は?違いは?

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「江戸の敵を長崎で討つ」の類義語としては、「江戸の仇を駿河で取る」という表現があります。

「江戸の仇を駿河で取る」

「江戸の仇を駿河で取る(えどのかたきをするがでとる)」は、以前の恨みを思わぬタイミングや場所で晴らすという意味があります。

江戸で一人の旅人が恨みを買い、その恨みを晴らすため、相手は旅人が江戸から駿河に移動してから仇討ちをするという話が由来です。由来となった話は異なりますが、「江戸の仇を駿河で取る」も「江戸の敵を長崎で討つ」とほとんど同じニュアンスで使われています。

ほぼ同じ意味を表すため、「江戸の敵を長崎で討つ」を使う事が多いです。どちらも同じ意味なので、一緒に覚えてみてください。

「江戸の敵を長崎で討つ」の対義語は?

「江戸の敵を長崎で討つ」の対義語は、以下のようなものがあります。

1.正々堂々(せいせどうどう)
2.正面突破(しょうめんとっぱ)
3.目には目を歯には歯を(めにはめをはにははを)
4.一騎打ち(いっきうち)

どの言葉も、”まっとうな方法で”という意味を含む言葉です。

今回は、「目には目を歯には歯を」について見ていきましょう。

「目には目を歯には歯を」

「目には目を歯には歯を」は、自分がされた方法と全く同じ方法で仕返しをするという意味です。

古代バビロニアのハンムラビ法典の一説に、「目には目を歯には歯を」という記載があります。「やり返せ!」と報復を勧めている訳ではなく、人が人を傷つけたら、同程度の罰を与えるべきだという考え方です。過剰な仕返しをするのではなく、同程度の仕返しで収めるための決まりでした。

以下のように用いられます。

\次のページで「「江戸の敵を長崎で討つ」の英訳は?」を解説!/

1.父はいつも、「目には目を歯には歯をだ!殴られたら殴り返してやれ!」と言っている。
2.損害を与えた会社にも、同程度の損害があったようだ。まさに、目には目を歯には歯をだな。

「江戸の敵を長崎で討つ」の英訳は?

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「江戸の敵を長崎で討つ」は、英語で「revenge on someone in an unlikely way and place」となります。

意味を詳しく見ていきましょう。

「 take revenge on someone in an unlikely way and place」

「take revenge on someone in an unlikely way and place」は直訳すると、「思いもよらない方法と場所で、誰かに復讐する」となります。

「revenge on 人」で「人に復讐する」という意味です。「unlikely」には、「しそうもない」、「見込みのない」といった意味があります。「way」と「place」はそれぞれ、方法と場所という意味です。

「江戸の敵を長崎で討つ」の意味である「思いもよらぬことで仕返しをする」と、同じ意味を表せますね。

「江戸の敵を長崎で討つ」を使いこなそう

この記事では「江戸の敵を長崎で討つ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「江戸の敵を長崎で討つ」は、意外なところで仕返しをするという意味です。あまり良い意味ではなく、筋違いの仕返しをされたときに使われる事が一般的になります。意味だけでなく、漢字や読み方なども正しく覚えてみてくださいね。

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【慣用句】「江戸の敵を長崎で討つ」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「江戸の敵を長崎で討つ」について解説する。

端的に言えば江戸の敵を長崎で討つの意味は「意外なところで仕返しをする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

中高生に英語や数学など、指導経験豊富なライター要を呼んです。一緒に「江戸の敵を長崎で討つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/要

塾講師を5年していた経験がある。留学経験があり、学生時代は留学生と英語でコミュニケーションを取っていた。日本語とは違った英語の感覚をわかりやすく伝える。

「江戸の敵を長崎で討つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「江戸の敵を長崎で討つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「江戸の敵を長崎で討つ」の意味は?

「江戸の敵を長崎で討つ(えどのかたきをながさきでうつ)」には、次のような意味があります。

1.意外なところで、または筋違いのことで、以前の恨みの仕返しをする。

出典:goo辞典「江戸の敵を長崎で討つ」

「江戸の敵を長崎で討つ」には、意外なところや筋違いな事で、昔の恨みの仕返しをするという意味です。

江戸や長崎など、地名を含むことわざになります。

「敵」は『てき』ではなく、『かたき』と読んでください。また、「討つ」というのは、「打つ」や「撃つ」では誤りになってしまいます。

それぞれ、以下のような意味を持っている言葉です。

1.勝負や争いの相手。競争相手。
2.恨みのある相手。あだ。仇敵 (きゅうてき) 。
3.戦での相手。てき。
4.結婚の相手。配偶者。

出典:goo辞典「敵(かたき)」

1. 攻撃する。敵を攻めて滅ぼす。征伐する。
2.武器を用いて、傷つけたり殺したりする。

出典:goo辞典「討つ(うつ)」

「敵(かたき)」には、さまざまな意味がありますが、ここでは2つ目の「恨みのある相手」という意味で用いられています。また、「討つ」という言葉は、攻撃する、武器で殺傷するという意味です。正しい意味を表せるよう、用いる漢字や読み方は気をつける必要があります。

「江戸の敵を長崎で討つ」は、仕返しをするという意味を表す表現です。しかし、筋の通らない仕返しや、無関係に思われる場面での仕返しなどを表します。あまり良くない意味と用いられている訳ですね。

「江戸の敵を長崎で討つ」の語源は?

次に「江戸の敵を長崎で討つ」の語源を確認しておきましょう。

このことわざの由来として考えられているのは、見世物師たちの物語です。

大阪の1人の見世物師が江戸で竹細工の興行を行った際、江戸の見世物師を超える人気を得て、大成功しました。一方、同じころの大阪では、長崎の見世物師がオランダ船やギヤマン細工によって人気を高め、大阪の見世物師を圧倒したのです。

つまり、江戸で大成功した大阪の見世物だったが、大阪では長崎の見世物には負けてしまったと言えます。

そんな様子から「江戸の敵を長崎で討つ」という表現が使われていると考えられているのです。

「江戸の敵を長崎で討つ」の使い方・例文

「江戸の敵を長崎で討つ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.私の方がテストで良い点を取ったけれど、彼氏を取られてしまった。江戸の敵を長崎で討たれてしまったよ。
2.課長の誘いを断ったせいか、会議で無視するなんて大人げない。江戸の敵を長崎で討たなくても良いのにね。
3.江戸の敵を長崎で討つというけれど、こんな事で仕返しされるとは思わなかったよ。

「江戸の敵を長崎で討つ」ということわざは、筋違いな仕返しを受けた人が使う事が多いです。自分の行動や勝利などに対し、周りから「え?こんなことで?」と思われるような事で仕返しをされるケースが当てはまります。

 

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