
ダイオキシンの摂取

人はどのような経路でダイオキシンを摂取しているのでしょうか?その経路は大きく二つに分けられます。一つは呼吸から、もう一つは食事からです。ダイオキシンが含まれた空気を吸うと当然体内にダイオキシンが入ってきます。では食事からの摂取はどのように起きるのでしょうか。
先ほど説明したようにダイオキシンは水に溶けづらく油には溶けやすい性質をしています。そのためダイオキシンは体内の脂肪にたまってしまうのです。そのためダイオキシンのいる環境で育った虫や草を通して魚や家畜がダイオキシンがを摂取し、それを人間が食べるという食物連鎖が起きてしまいます。このようにダイオキシンに汚染された食品が口から入ることを経口摂取といい、消化器官から体内にダイオキシンが吸収されているのです。
食物連鎖についてはこちらの記事をどうぞ。
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ダイオキシンと社会問題
日本でダイオキシンが大きな問題となったのは1997年、大阪府で高濃度のダイオキシンが検出されたことです。ある地域のゴミ処理施設周辺で高濃度のダイオキシンが検出されました。その後焼却炉は運転停止となり、すぐに解体されています。
しかし、日本はもちろん海外でもダイオキシンに関する社会問題は昔から起きていたのです。ダイオキシンに関わる日本と海外で起きた大きな事件をご紹介します。
カミネ油症事件
ダイオキシンが大きく問題となった大阪府の事件よりも30年も前の1968年、カネミ倉庫という会社で製造する油にダイオキシン類が混入するという事件が起きています。製造過程で脱臭のために使われていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)が油に混入し、過熱されてダイオキシンとなってしまったのです。この油を摂取した人、さらにそのお腹にいた胎児に障害が発生しました。日本全国で1万人以上の人が被害を訴えたそうです。
セベソ事故

セベソ事故とは1976年にイタリアで起きた農薬工場の爆発事故です。この事故によって近隣地域にダイオキシンが飛散してしまいました。そしてその後、この周辺地域で家畜の大量死や奇形出生率が高ま多と宝庫越されています。
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