端的に言えば胸がつかえるの意味は「悲しみなどによって胸が圧迫されるような苦しさを感じる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
営業マネージャーとして勤務し、カナダでの留学を経てライターとして活動中のナガタナミキを呼んです。一緒に「胸がつかえる」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ナガタ ナミキ
外資企業の営業マネージャーとして勤務し、相手に伝わる会話表現やコーチングスキルについて学ぶ。カナダでの留学を経て、言葉の持つニュアンスや響きを大切にするライターとして現在活動中。
「胸がつかえる」の意味は?
「胸がつかえる」には、次のような意味があります。
1.食べた物が食道につまる
2.悲しみや心配事などのために胸が圧迫されるように苦しくなる。「悲しい思い出に―・える」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「胸がつかえる」
「胸がつかえる」には大きく分けて二つの意味があります。一つは物理的に食べ物が食道につまること、もう一つは慣用句で悲しみによって胸に圧迫感を感じることです。今回の記事では慣用句の意味を重点的にご紹介します。
慣用句「胸がつかえる」は、辞書にもあるように深い悲しみ・大きな心配事がある時に感じる苦しみを表す言葉です。たとえば大切な友人が事故にあって大きな手術を受けていたら、どのような気持ちになるでしょうか。無事に治療が成功してほしいと願いながらも、不安に押しつぶされるような感情を抱くかもしれません。心配や緊張から食欲がなく、何も手につかない可能性もあります。このような状態に「胸がつかえる」を使うことが可能です。
※非常に嬉しいことがあった場合にも使われることがあります。
「胸がつかえる」の語源は?
「胸がつかえる」の語源はいたってシンプルで、食べたものが食道につかえて苦しくなる、その様子に由来しています。本当に物がつかえて苦しいという状態が、精神的に辛く苦しい場合をも表すようになったのです。実際には何もつかえていなくても、あることが心配で頭から離れない場合や、すっきりとしない心理状態があてはまります。
※「つかえ(痞え)」とは胸が塞がって苦しいことです。胸が圧迫されるような感覚に一致しますね。
「胸がつかえる」の使い方・例文
「胸がつかえる」の使い方を例文を通して確認していきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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