国語言葉の意味

【慣用句】「下駄を履かせる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターが解説!

よお、ドラゴン桜の桜木建二だ。この記事では「下駄を履かせる」について解説する。

端的に言えば下駄を履かせるの意味は「数を水増しして、実際よりも多く見せる」だが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

営業マネージャーとして勤務し、カナダでの留学を経てライターとして活動中のナガタナミキを呼んだ。一緒に「下駄を履かせる」の意味や例文、類語などを見ていくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/ナガタ ナミキ

外資企業の営業マネージャーとして勤務し、相手に伝わる会話表現やコーチングスキルについて学ぶ。カナダでの留学を経て、言葉の持つニュアンスや響きを大切にするライターとして現在活動中。

「下駄を履かせる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「下駄を履かせる(げたをはかせる)」の意味や語源・使い方を確認していきましょう。

「下駄を履かせる」の意味は?

「下駄を履かせる」には、次のような意味があります。

1.価格を高くいつわる。また、数量・点数などを水増しして、実際よりも多く見せる。「点数に―◦せて及第させる」
2.囲碁で、相手の石に直接あたりをかけずに、一路か二路離して打ち、出口をふさぐ。
3.印刷で、下駄2を使用する

出典:デジタル大辞泉(小学館)「下駄を履かせる」

辞書を確認しても分かるように、「下駄を履かせる」には慣用句としての意味と、専門用語として使われる2つの意味があります。

・慣用句として
・囲碁の手筋として
・印刷用語として

※今回の記事では慣用句としての使い方を中心にご紹介しますが、その他の意味についても知っておくと良いでしょう。

慣用句としての「下駄を履かせる」とは、物の価値や価格、あるいは数量を実際よりも多く見せることをいいます。良い印象を与えるために偽りの数を水増しするのです。

囲碁の手筋として「下駄を履かせる」が使われることがあります。簡単にいえば相手の石に蓋をする形で出口を塞ぐ手法です。本来は中国語で「門(はかす)」と呼ばれ、この音が「履かす」を連想させたといわれています。そして相手の石を取り囲む状態がまるで下駄の鼻緒のようであることから「下駄」と結びつき、「下駄を履かせる」の呼び名が定着しました。

もう一つは印刷用語としての「下駄を履かせる」です。活版印刷において必要な活字(字型)が無い場合、一時的に適当な活字を裏返して伏せ字を入れることになっています。その形が下駄の底の歯「〓(下駄記号)」に非常によく似ていることから、必要な活字が揃うまでのつなぎとなる伏せ字を入れることを「下駄を履かせる」と呼ぶのです。

「下駄を履かせる」の語源は?

みなさんは下駄を履いたことはありますか?歩くと心地好い音が転がる、木製の履き物ですね。語源を確認するにあたって改めて意味を確認しておきましょう。

1.木をくりぬき、歯を作りつけにし、台部に三つの穴をあけて鼻緒をすげた履物。歯はふつう2本で、別の材を差し込むものもある。

2.活字印刷の校正刷りで、必要な活字がないときに活字を裏返して入れる伏せ字。下駄の歯のような形「〓」をしている。伏せ字。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「下駄」

下駄とは鼻緒が通った木製の履き物のことですね。また、基本的には2つの歯(地面と接する突起部分)が差し込まれています。つまり下駄を履けば、通常よりも身長が高く見えるわけです。

前置きが長くなりましたが、「下駄を履かせる」とは「実際よりも高く見せること」であり、この様子が慣用句としての語源に繋がったといわれています。現代では身長だけでなく、様々な事柄に対して用いられるようになりました。

「下駄を履かせる」の使い方・例文

「下駄を履かせる」の使い方を例文を通して確認しましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.出張費用に下駄を履かせて領収書を提出し、差額を横領しようとする行為は悪質で信用問題に関わる。

2.紹介されたとある新築の一戸建ては、設備や立地が素晴らしい。しかし資料に記載された細かい数値について不動産業者に質問しても曖昧な回答しかなく、どこか下駄を履かせているのではと疑ってしまう。

3.友人はアルバイトをするために履歴書を作成していたが、良い印象を与えるために資格と学歴欄にそれぞれ下駄を履かせたようだ。案の定、面接で嘘をついたことがばれて不採用となっていた。

4.男女平等といいながら、実際には同じ仕事内容でも給与が異なったり、昇進時に点数操作が行われたというニュースを聞く。一方に下駄を履かせる暇があるのなら、組織の在り方や共通認識を一刻も早く見直すべきだ。

本来動かしてはならない部分を操作するという意味で「下駄を履かせる」が用いられることは一般的です。たとえば会社の売り上げデータや客数などを実際よりも増やせば、正しい管理が行えなくなってしまいますよね。一時の見栄・プライドのために改ざんすることは、一生の信用を失いかねない行為です。「下駄を履かせる」が与える印象はマイナスであることが多いので、使う際には注意しましょう。

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たとえばお金の力で親族を良い学校に通わせる、といった話は漫画やドラマにも登場する。しかし実際には、他人の力で合格できたとして本人は嬉しいのだろうか?世間からも厳しい目を向けられるリスクがある。間違った形で下駄を履かされ、自分の実力と勘違いしてしまうことほど虚しいことはないだろう。

「下駄を履かせる」の類義語は?違いは?

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それではここで「下駄を履かせる」の類義語を確認しましょう。

「水増し」

「水増し(みずまし)」とは、見かけの数・量を増やすことをいいます。漢字の通り、水を加えることによって分量を増やすことが語源ですが、真実を偽るという意味があることからあまり良いようには受け取られません。

たとえばドリンクを注文したら、水を足されて提供されるようなものです。店側からすれば材料不足などの理由があるのかもしれませんが、飲めば味が薄いことはすぐにばれてしまいます。このように水ではなくとも、予算や売り上げの数値を実際より多く偽ることが「水増し」なのです。

ちなみに「水増し」の語源は江戸時代の酒場にあるといわれます。当時はアルコール量を正確に測るツールがなかったため、出来上がったお酒に気付かれない程度の水を加えて微調整し、儲けを得るという悪質な業者がいたようです。ここから「水増し」という言葉が広まったとされています。

「かさ上げ」

「かさ上げ」とは、数値や物を現状よりも高くすることです。たとえばダムや堤防を改築して高くすることは「かさ上げ」の分かりやすい例ですが、転じて今ある数字より多く見せることも「かさ上げ」にあたります。

「上げ底」

「上げ底」とは、箱などの底を上げて実際よりも中身が多く見えるようにすることです。たとえ見栄えの良さや注目を集めるためであっても、過剰な上げ底は詐欺・偽りといったマイナスな印象を与えかねません。

たとえばお菓子の箱やコンビニのお弁当は、いざ蓋を開けてみると思ったよりも内容が少なかったり、内箱が外箱よりも浅いつくりになっていたりと、まさに「上げ底」されていることがあります。騙されたと感じる場合もあるでしょう。

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