地学宇宙理科

3分で簡単「木星型惑星」どんな惑星?特徴は?科学館職員がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今回は太陽系にある惑星の分類のひとつ、木星型惑星(もくせいがたわくせい)について学んでいくぞ。

まず惑星とは何だったか覚えているか?惑星の定義を簡単に言うと恒星(太陽)の周りを回っていて十分な重みがあり球型となった天体のうち、公転の軌道上に他の天体がない天体のことだ。太陽系には8つの惑星があることは知っているか?個性豊かな惑星には様々な分類方法がある。今回注目するのが先ほど登場した木星型惑星だ。木星は太陽系最大の惑星である。その独な模様とリングが木星の特徴だ。

それでは木星と似た特徴を持っている木星型惑星について、科学館職員のたかはしふみかが解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/たかはし ふみか

まだ惑星の並びが水金地火木土天冥海の時に中学生だったリケジョ。不思議な現象を解き明かす科学が好きで理系に進んだ科学館職員。気分転換はドライブでひとりで遠くまでも運転し、時に星空を見上げている。

太陽系の惑星をおさらい

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太陽系には8つの惑星があります。太陽から近い順に水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星です。水星から土星までは曜日にも使われているなじみ深い惑星ですね。水星や土星など少し見づらい惑星もありますが、肉眼で見ることのできる惑星は紀元前に発見されていました。一方、天王星、海王星は望遠鏡の技術が進んでから見つかったため、曜日には入っていません。

太陽系の惑星全般についてはこちらの記事でどうぞ。

image by Study-Z編集部

ところで、太陽系の惑星には様々な分類方法があります。位置によるもの、成分によるものがあるので確認していきましょう。

位置による惑星の分類

まずは位置による惑星の分類を確認していきましょう。惑星の分類のひとつとして地球から見て太陽に近い(地球よりも内側にある)のか太陽から遠い(地球よりも外側にある)のか、という分類があります。地球に比べて太陽に近いのが内惑星、遠いのが外惑星です。地球はこのどちらにも属していません。

太陽に近い内惑星についてはこちらでどうぞ。

成分でわかる惑星の分類

地球型惑星である水星、金星、地球、火星は揮発しづらい難揮発性物質である岩石や金属で構成されています。このような惑星は地球型惑星と呼ばれているのです。一方、木星、土星、天王星、海王星、冥王星はガスでできていて、木星型惑星と呼びます。そして、木星型惑星はさらに木星型惑星と天王星型惑星に分けらてれいるのです。木星型惑星の分類にさらに木星型惑星があるとは分かりにくいですね。

特徴で比べると大きさ・質量は木星型惑星の方が大きいものの、木星型惑星は大きさの割に軽いため密度は地球型惑星の方が大きくなっています。

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惑星にはいろいろな分類方法があるんだな。

木星型惑星の特徴

木星型惑星の特徴

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木星型惑星は地球よりも直径が4倍以上、質量が10倍以上の大きな惑星です。また衛星が多く、複数の環を持っています。惑星の中心は難揮発性の物質でできており、その周囲を液体又は気体の水素やヘリウムが取り巻いているのです。もともと木星・土星・天王星、海王星が木星型惑星に分類されていましたが、惑星探査が進んで天王星と海王星がメタンやアンモニアを含む氷や液体の水からできていることが判明しました。そのため、木星型惑星というくくりからさらに木星型惑星(巨大ガス惑星・ガスジャイアント)と天王星型惑星(巨大氷惑星・アイスジャイアント)に分類されることとなったのです。

ガスは金属などに比べると密度が小さく軽いですね。そのためガスでできている木星型惑星は大きさの割にずっと軽く惑星の密度も小さいのが特徴です。

最大の惑星、木星

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英語ではジュピターと呼ばれる木星。由来はギリシャ神話の絶対神、ゼウスです。木星は水素とヘリウムでできています。太陽系最大の惑星で3本の環を持っていること、大赤斑という巨大な渦があることが特徴です。さらに木星には79個(2018年現在)も衛星(惑星などの天体の周りを公転する天体)があります。

木星の衛星といえばイオエウロパなどが知られていますね。木星の衛星の多くは自転方向と逆の公転軌道を持つ逆行衛星となっています。太陽系最大の衛星は木星のガニメデで、なんと水星よりも半径が大きいのです。しかし、質量は水星の半分以下と軽さしかありません。

木星はガス惑星のため、地球のような惑星のように地表と大気の境目がありません。この大気にいくつもの渦が存在しているのです。木星の特徴である大赤斑もこの大気に生まれた渦で台風のようなものと考えられています。

美しさNO.1 土星

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地球の9倍もの大きさの半径がある土星。しかし密度は地球の1割強しかないとても軽い惑星です。土星の内部は鉄やニッケルですが、その周囲には圧縮されて金属のような性質を持った水素が覆っています。そのほかに液体水素やヘリウムが土星を取り巻いているのです。

土星と言えば美しいリングが特徴ですね。土星の環のほとんどが氷のかけらです。初めて土星の輪を観測したのはかの有名なガリレオ・ガリレイでした。

土星には2019年までに82個の衛星が発見されています。最大の衛星はタイタンで、土星の衛星全体の質量の9割を占めているのです。

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