国語言葉の意味

「後塵を拝する」の意味は語源と違う?例文・類義語も日本放送作家協会会員がわかりやすく解説

この記事では「後塵(こうじん)を拝(はい)する」について解説する。
端的に言えば、後塵を拝するの意味は「人に先んじられる」ことです。他者に先を越されるという残念なニュアンスで使われることが多いが、もともとの意味は少し違っており、その語源は『晋書(しんじょ)』にあるぞ。
日本放送作家協会会員でWebライターのユーリを呼んです。一緒に「後塵を拝する」の意味や語源をチェックし、例文や類義語などを見ていきます。

ライター/ユーリ

日本放送作家協会会員。シナリオ、エッセイをたしなむWebライター。時代によって変化する言葉の面白さ、奥深さをやさしく解説する。

「後塵を拝する」の意味・語源・例文

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言葉は語源どおりの意味で使われている場合もありますが、語源と少し違う意味が派生して複数の意味を持つようになる場合があります。「後塵を拝する」は語源と違う意味のほうがよく使われていますよ。

「後塵を拝する」の意味

はじめに「後塵を拝する」の意味を辞書でチェックしましょう。

1 地位や権力のある人を仰ぎ見て、うらやましく思う。
2 他人に先んじられる。人の下風に立つ。
3 権力のある人に追従 (ついしょう)する。人にこびへつらう。

出典:日本国語大辞典精選版「後塵を拝する」

1は「地位や権力のある人をうらやましく思う」ことです。3はただうらやましがるだけでなく「権力のある人におもねり、こびへつらう」という意味ですね。2は「人に先んじられる」「他の支配を受ける低い地位に立つ」という意味です。日常では、「人に先んじられる」という意味で使われることが多いですね。

ところで「後塵」は「人や馬車が通り過ぎた後に立つほこり」のこと。また「拝する」は「拝む(おが)む」という意味です。では「人や馬車が通り過ぎた後に立つ塵を拝む」ことが、なぜ上記のような意味になったのでしょうか。

「後塵を拝する」の語源は『晋書』!

『晋書』は中国二十四史のひとつで、晋王朝の歴史を記したものです。「後塵を拝する」はその中の石崇伝(せきすうでん)や潘岳伝(はんがくでん)に由来しています。

崇字季倫〈略〉与潘岳事賈謐、謐与之親善、号曰二十四友、広城君毎出、崇降車路左塵而拝。斯卑佞如

出典:『晋書』「石崇伝」

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