「かまをかける」は簡単に言うと「誘導尋問」。相手が発言するようにそれとなく言い導くちょっと高度な会話テクニックです。実は俺も、生徒の本音や悩み事を吐き出させるためにたびたび使っている。手法は教えられないが、言葉の意味や使い方などをしっかり確認しよう。
今回、語学系主婦ライターの小島ヨウを呼んです。一緒に「かまをかける」の慣用句を説明していく。
ライター/小島 ヨウ
言葉の使い方、漢字の意味に興味を持ち、辞典で調べまくるアナログ主婦ライター。分かりやすく、読みやすい文章を心がけている。
「かまをかける」の意味・使い方
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直接聞けない相手の秘密や情報・どう思っているのかなどを知りたいとき、遠回しに話題を振って聞き出すことを「かまをかける」といいます。詳しい意味や使い方をチェックしていきましょう。
「かまをかける」の意味
まずは辞書で意味を調べてみましょう。
相手に本当のことを白状させるために、それとなく言葉巧みに問いかける。「―・けて本心を聞き出す」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「鎌(かま)を掛(か)ける」より
漢字で「鎌を掛ける」と出てきました。ほかの辞書でも「かまをかける」の「かま」はいずれも草や穂を刈るための道具「鎌」の字が使われています。どうして鎌をかけることが誘導尋問的な表現になったのでしょうか。
「かまをかける」の語源
「かまをかける」の語源は諸説あります。「鎌」で草や稲穂を引っかけ手元にたぐり寄せ刈り取る仕草から、相手を引っかけて有益な情報を得るという意味になったという説。また鎌は鎌でも「火打ち鎌」、火付け石と打ち合わせて火種を得ることから転じたというもの。
ほかにも、「かま」はやかましいという意味の「かまし」から様々にしゃべらせること、桶やこしきを作る際に「かま」という道具で寸法を測っていたことから思い通りに導く意に、など様々です。
いずれの由来からも分かるのは比ゆ的な表現だということ。鎌を使って脅してしゃべらせるのではなく、それとなく相手から聞き出すことが「かまをかける」なのです。
「かまをかける」の使い方・例文
意味を確認したところで、使ってみましょう。
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