
「縄」は、農業事物起源集成(のうぎょうじぶつきげんしゅうせい)に記載が残っています。紀田順一郎さんが監修し、「縄に関して古い記録は、紀(日本書紀)、記(古事記)の神代の巻にシリクメ縄(シメナワの意)という記載がある」とされているのです。長い歴史において”一筋の縄”が、普通の方法や当たり前のやり方の比喩となります。それを否定する表現として、使われていたことが語源です。江戸時代から使われ始めたという説があります。
出典:ことわざ・慣用句の百科事典「一筋縄では行かない」
「一筋縄ではいかない」の使い方・例文
「一筋縄ではいかない」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.これは、一筋縄ではいかない仕事だ。
2.部長の許可を得るのは、一筋縄ではいかずに苦労するなあ。
3.子供を育てる事は、一筋縄ではいかない。
「一筋縄ではいかない」は、動詞が使われている慣用句なので、文章の中でそのまま使うことが出来ます。そのため、名詞につけて形容詞として使ったり、副詞として使われたりするのです。
1つ目の例文は、「仕事」という名詞を修飾する形容詞として使われていますね。一般的な方法ではうまくいかない仕事と、説明しています。
2つ目の例文は、「苦労する」という動詞に付いて、副詞として用いられている表現です。”一般的な方法ではうまくいかないから苦労する”という理由付けをしていますね。
3つ目の例文は、動詞として用いられています。子どもによって個人差があるため、育てる方法は違いますね。環境によっても大きく異なるため、決まった方法ではうまくいかないと述べています。
「一筋縄ではいかない」は、さまざまな使い方ができるのです。

「一筋縄ではいかない」は、うまくいかないという意味だ。また、形容詞や副詞、動詞として使えるぞ。意味だけでなく、さまざまな使い方もしっかり覚えておけよ。
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