「命あっての物種」の対義語は?
では、次に「命あっての物種」の対義語をみていきましょう。
「命は鴻毛より軽し」
「鴻毛(こうもう)」とは「鴻(おおとり)の羽毛」のこと。「鴻」とは、主にオオハクチョウやヒシクイといった大型の鳥のことを差します。鳥の羽毛は大変軽く、ガチョウやアヒルなどの羽は羽毛布団として使われているほど。そのような「鴻毛」よりも「命」は軽いと解釈できますね。「命は鴻毛より軽(かる)し」の意味は、命を捨てることは少しも惜しくないということ。すなわち、命は重んじる時と、潔く捨てる時があるといっているわけです。
「命は鴻毛より軽し」は、司馬遷が記した「報任少卿書」が由来。司馬遷(しばせん)は中国の歴史家であり、「史記」を完成させた者としても有名です。戦国時代だったからこそ、戦争で勝つために兵士に呼びかけた言葉だといえますね。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
「虎穴(こけつ)に入らずんば虎子(こじ)を得ず」は、危険を冒さなければ、大きな成功はえられないという意味。虎は巣穴で出産し、1年半かけて子育てするのが特徴です。そのため、虎の子供を捕まえるには巣穴に潜りこまなくてはいけません。もちろん、巣穴を目指すということは、母親の虎に命を狙われる危険性が高いといえるでしょう。そのような様子から転じて、成功のためには危険を冒さなくてはいけないという教訓が生まれました。
「虎穴に入らずんば虎子を得ず」は、中国の歴史書「後漢書」が由来だといわれています。こちらも戦国時代に作られた言葉で、兵士の士気を高めるために武将が呼びかけた言葉だといえますね。
「While there’s life, there’s hope」
「While there’s life, there’s hope」は「命あっての物種」と同様の意味となる英語のことわざになります。「While there’s life」は直訳すると「命がある間」という意味。「there’s hope」は「希望がある」という意味になります。単語を繋げると「生きている限り希望がある」となり「命あっての物種」として使うことができるでしょう。
「be not worth risking my life」
「worth」とは「~の価値があって」や「~に値して」という意味。「risking」は「risk」の現在分詞で「危険」や「恐れ」という意味になります。「It is not worth risking my life」は直訳すると「それは私の命をかける価値がない」となり「命あっての物種」として使うことができるでしょう。危険な行為を強要されそうになった際、断りたい時に使ってみてください。
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