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5分でわかる「金本位制」ー世界の金融体制の変遷を世界史通がわかりやすく解説

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なるほど。戦後もアメリカドルを基軸にしながら、金で貨幣の価値を担保する制度が続いていたんだな。しかし「ニクソン・ショック」でそれが終わりを迎え、今のような制度に変わってきたのか。

国際金融体制の変遷をおさらいしよう

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金本位制が導入されて以降、国際金融体制はどのように変遷してきたのでしょうか。簡単に振り返ってみましょう。

金本位制が初めて正式に導入されたのは、19世紀のイギリスでした。その後、主要国が続々と金を基軸にした金融体制を確立していきます。当時、貿易において中心となっていた通貨はポンドでした。イギリスの経済力や広大な植民地に支えられ、ポンドは世界の基軸通貨として認められていたのです。

その後、世界大戦や世界恐慌の影響で、金を中心とした国際金融体制は何度か試練を迎えます。第一次世界大戦時には、一度は金本位制が停止されました。そして、各国が自国通貨の金との兌換を復活させて間もなく、世界恐慌がきっかけで金本位制は再び岐路を迎えたのです。

しかし、第二次世界大戦後に成立したブレトンウッズ体制では、アメリカドルを中心としながらも、依然として金が貨幣価値の担保となっていました。戦後の新しい仕組みも、実は金本位制とそれほどかけ離れたものではなかったと言えるかもしれません。ただし、世界の中心はこの頃にはイギリスからアメリカへと変わっていました。そのため、ポンドではなくドルが世界の基軸通貨としての地位を得たのです。

そして、1971年のニクソンショックが引き金となり、金を基軸に置いた金融体制は完全に終わりを迎えました。現在のような変動相場制が用いられるようになり、国際金融体制は大きく変わったと言えるでしょう。その中でドルが中心的な位置を占めているのは、今でも変わっていません。

今でも変化を続けている国際金融体制

「金」は、誰にとっても価値のあるものです。一方で、「貨幣」はそれ自体に価値があるわけではありません。イギリスから始まった金本位制は、各国の異なる通貨に正統性を与えるための手段だったと言えるでしょう。

一時は世界のスタンダードとなった金本位制ですが、戦争や不況を乗り越えて現在まで続く仕組みとはなりませんでした。輸入の多い国からはどんどん金が流出してしまうことや、金の産出量には限りがあることなど、様々な問題があったのです。その後、ブレトンウッズ体制を経て、現在では変動相場制が主流となっています。

しかし、金を基軸とした金融体制では為替が固定され、貿易における為替リスクがなくなるというメリットもありました。現在EU圏で導入されている共通通貨「ユーロ」は、このメリットを踏襲したものとも言えるでしょう。実はアジア圏でも、実現はしていませんが、共通通貨を導入する話がこれまで何度も議題に上ってきています。金本位制の仕組みは、完全に消え去ったわけではないのです。

もちろん、ユーロのような地域共通通貨には、金本位制に見られたようなデメリットもあります。共通通貨が金本位制の弱点を引き継いでいるだけなのか、あるいは新たな国際金融体制のベースとなり得るのかは、これから形作られていく歴史が証明することになるでしょう。

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amala18