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5分でわかる「金本位制」ー世界の金融体制の変遷を世界史通がわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。金本位制という言葉を聞いたことはあるか?以前は世界的に主流だった金融体制だが、今では使われていないようだ。どんな制度だったのだろう?

世界史に詳しいライター万嶋せらと一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

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ライター/万嶋せら

会社員を経て、イギリスに渡り大学院の修士号を取得したライター。歴史が好きで関連書籍をよく読み、中でも近代以降の歴史と古典文学系が得意。今回の記事では「金本位制」について解説する。

金本位制とは何か

image by PIXTA / 10785208

金本位制の仕組み

金本位制とは貨幣制度の一種で、金を価値の基準に置いているのが特徴です。どのような仕組みなのでしょうか。

多くの国で独自の通貨が流通していますが、その貨幣を実際に発行しているのは各国の中央銀行です。金本位制のもとでは、中央銀行は発行した貨幣と同等の金を保管しなければいけません。そして、要求に応じて自国の通貨と金を交換する決まりとなっています。裏を返せば、金本位制を採用する場合、各国が発行する貨幣の量はその国の保有する金の量に制約されるということです。

通貨が金と交換可能であれば、各国が異なる通貨を発行していても、それぞれの貨幣を信用することができます。このように金と交換できる貨幣のことを兌換紙幣と呼ぶので、覚えておくとよいでしょう。

金本位制のメリット

金は、世界的に「価値のあるもの」として認識されています。そのため、貨幣が決まった量の金と必ず交換できるのであれば、必然的に貨幣も「価値のあるもの」として認められるのです。金本位制のメリットは、さまざまな通貨の価値が対外的に認められやすくなるという点にあると言えるでしょう。

また、各国が金本位制を採用すると、金を基準としてそれぞれ国の通貨の価値が明確になります。為替レートが固定化される、と言うこともできますね。すると、モノを輸出入する際に為替の変動を考慮する必要がなくなるため、貿易がしやすくなります。為替リスクを取り払ってしまえるというのも、金本位制のメリットの1つです。

金本位制のデメリット

金本位制にはデメリットもあります。

たとえば、金本位制のもとでは、各国は貨幣と交換できるだけの金を常に保有しておかなければいけません。つまり、発行できる貨幣の量が、自国内に保有する金の量に限定されるということです。金は世界的に貴重な物質であり、だからこそ価値が認められているわけですが、産出量をコントロールすることは当然できません。そのため、金本位制を採用している場合、貨幣の発行量を簡単に増やすこともできないのです。

また、自国の輸入額が輸出額を超過すると、国内の金の保有量は減少してきます。貿易赤字となり、外国への支払いが増えるからです。そのため金本位制のもとでは、金の国外への流出を抑えるため、輸入超過にならないよう保護貿易的な政策を進める機運が高まります。為替リスクがないからといって必ずしも貿易が促進されるわけではない、という点に注意が必要です。

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貨幣の価値を金で表しているのが金本位制、ということだな。この仕組みは現代ではあまり親しみがないような気がするぞ。いつの時代の話なんだ?

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