国語言葉の意味

【慣用句】「多勢に無勢」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターが解説!

「数の論理」

「数の論理」(かずのろんり)は政治の世界でよく語られるようになった言葉です。1970年代に日本の総理大臣になった田中角栄(たなかかくえい)が考え出した政治戦略だと言われています。角栄さんは人をひきつける魅力を持っていたことも事実ですが、選挙戦も上手で、お金を集める能力にも長けていました。「数の論理」は、支持者を多く集めることで少数派との議論に多くの時間をかけることなく多数決で自身の方針を推し進めることを可能にしたのです。「政治は数であり、数は力であり、力を作るのは金である」という姿勢が民主主義において正しいか否かは別として、現代においても「多勢に無勢」が有効であることを証明した時代でした。

「多勢に無勢」の対義語は?

「数が多ければ相手に勝てるのか?」というとそうでもありません。史実でも「数が少なくても勝利を手にした」戦いは日本はもとより外国でも多数あります。それでは、「多勢に無勢」の反対語を見ていきましょう。

「少数精鋭」

「少数精鋭」(しょうすうせいえい)の少数「しょうすう」とは、文字通り数が少ないことで、「精鋭」(せいえい)とは「強くて勢いがあり、選りすぐりの優れた兵士や人」のことです。「少数精鋭」とは「数は少ないものの選りすぐりの優れた兵士のこと」で、寄せ集められただけの大群よりも手ごわくて人数以上の働きを果たすこともあります。

今でも語り継がれる1560年の「桶狭間の戦い」(おけはざまのたたかい)では、駿河から今川義元(いまがわよしもと)が出兵した際の軍勢は2万5千人。対する織田信長(おだのぶなが)軍の兵力は、2~3千人だったと言われていますが、「少数精鋭」の信長軍は、桶狭間で今川軍に奇襲をかけ勝利したのです。

「多勢に無勢」の英訳は?

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「多勢に無勢」を英語で表現するとどんな言葉が適切なのでしょう?

「Overwhelm」

「多勢に無勢」に近い表現のひとつに「Overwhelm」(òʊvɚ(h)wélm) という単語があります。

「Overwhelm」は、「すぐれた力やはるかに勝る勢力で相手を押さえつけること」を意味になるのです。「Whelm」(wélm)だけで、「人を圧倒する、参らせる、閉口させる」という意味になるのですが、「Over+動詞」で、程度がはなはだしく過度な状態である「~しすぎる」という意味になるのですね。
「Overwhelm」以外にも「Oversleep=寝すぎる」や「Overeat=食べ過ぎる」など「Over」は程度が過ぎている場合に使える便利な接頭語なのです。それでは例文を見ていきましょう。

1. The numerous enemy overwhelmed us in that battle.
(数の多い敵はあの戦いで我々を圧倒しました。)

2. My teacher’s pressure was so overwhelmed that I could not say even a word.
(先生の圧力に圧倒されてしまって、私はひとこともしゃべれなかった。)

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