「引けを取らない」の意味をご存じですか?「引けを取らない」は簡単に言えば「負けていない」という意味の言葉です。院卒日本語教師の筆者が解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働いている日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「引けを取らない」の意味や使い方は?

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「引けを取らない」という言葉、見聞きしたことがあるという人が少なくないと思います。特にスポーツ好きの人はよく聞いているのではないでしょうか。まずは、「引けを取らない」の意味と使い方について確認していきましょう。

「引けを取らない」の意味は「相手に劣ることがない」

最初に、「引けを取らない」の意味を確認していきましょう。残念ながら「引けを取らない」の形では辞書に掲載されていないことが多いです。そこで、対義語の「引けを取る」の国語系の辞典での記述を見ていきましょう

負ける。劣る。
◆多く打消しの形で、相手に劣ることがない意に用いる。「引け」は、人より劣っていると感じること。

出典:明鏡ことわざ成句使い方辞典 第二版(大修館書店)「ひけをとる【引けを取る】」

「引けを取る」は「負ける」「劣る」という意味の慣用表現でしたね。そして打消しをともなった対義語が「引けを取らない」です。辞書の記述にもある通り、「相手に劣ることがない」という意味を表します。簡単に言えば「比較対象の相手に負けていない」という意味ですね。言及対象を他と比較して、同じくらいの力か、それよりも上の力を持っている場合に使用します。

「引けを取らない」の使い方を例文とともに確認!

続いて、「引けを取らない」の使い方を確認していきましょう。ここでは3つの例文とともに、「引けを取らない」が使われる文脈やニュアンスを確認していきます。

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1.吉田君は高校生ながら、プロの選手に引けを取らないくらいの体格と実力を備えている。
2.決勝戦は優勝候補のA高校と、初出場のB高校の対戦となった。ただ、B高校の今大会での強さは本物で、A高校に引けを取らない
3.私は、正義感の強さなら誰にも引けを取らない

例文1では、「吉田君は高校生だが、体格や実力はプロの選手に負けていない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。本来なら比較対象と比べて力量が低くて当然の人物(集団)が、比較対象と同程度以上の能力を持つ場合に、よく用いられるのが「引けを取らない」です。

例文2では、「優勝候補のA高校と対戦するのはB高校だが、強さに差はほぼない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。比較対象と比べて同程度、またはそれ以上の強さがあることを表すのが「引けを取らない」です。

例文3では、「私は正義感の強さなら誰にも負けない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。「誰にも負けない」という意味で使われるのが「誰にも引けを取らない」という言い方です。

「引けを取らない」の類義語は?

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続いて、「引けを取らない」の類義語を確認していきましょう。「引けを取らない」の類義語は「勝るとも劣らない」「負けず劣らず」「互角」「伯仲」です。意味やニュアンスを確認し、「引けを取らない」と比較してみてください。

「勝るとも劣らない」:互角またはそれ以上

「勝るとも劣らない」は「互角またはそれ以上」という意味の慣用句です。比較対象と比べて、力量や規模などが同等以上であることを表します。意味やニュアンスは「引けを取らない」と違いはありません。

「負けず劣らず」:両者同程度で優劣がつけづらい

「負けず劣らず」は「両者同程度で優劣がつけづらい」という意味の慣用句です。比較対象と比べて、力量や規模が負けておらず同程度であることを表します。「引けを取らない」との違いは、「引けを取らない」は両者の実力が同等"以上”であることを表すのに対し、「負けず劣らず」は同等”くらい”であることを表す点です。

\次のページで「「互角」:双方に優劣の差がない」を解説!/

「互角」:双方に優劣の差がない

「互角(ごかく)」は「双方に優劣の差がない」ことを意味する単語です。比較対象と比べて、力量や規模が同程度であり差がないことを表します。「引けを取らない」との違いは、「引けを取らない」は両者の実力が同等"以上”であることを表すのに対し、「互角」は同等であることを表す点です。

「伯仲」:極めてよく似ていて優劣の差がない

「伯仲(はくちゅう)」は「(力量などが)極めてよく似ていて優劣の差がない」という意味の単語です。比較対象と比べて、力量や規模が同程度であり差がないことを表す表現で、「伯仲している」という形で使われることが多いですね。「引けを取らない」との違いは、「引けを取らない」は両者の実力が同等"以上”であることを表すのに対し、「伯仲」は同等であることを表す点です。

「引けを取らない」の英語表現は?

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最後に、「引けを取らない」の英語表現を確認していきましょう。「引けを取らない」の英語表現は「not to be outdone」です。意味や使い方を確認していきましょう。

「not to be outdone」:負けていない

「not to be outdone」は「負けていない」「引けを取らない」などの意味を持つ英語表現です。「outdo」は「まさる」という意味の動詞で、受け身の形である「be outdone」は「負ける」「引けを取る」という意味を表します。その「be outdone」を打消しの形にしたのが「not to be outdone」ですね。例文を確認していきましょう。

1.Company B has launched a new smartphone. Its performance is not to be outdone by Company A, which currently holds the No. 1 market share.
B社から新しいスマートフォンが発売された。その性能は現在シェアナンバー1のA社に引けを取らない

2.This is my first time to participate in this national competition, but I am confident that my abilities are not to be outdone by the other participants.
この全国大会に参加するのは初めてだが、私の実力は他の参加者に引けを取らない自信がある。

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あなたが「引けを取らない」ことは…?

今回は「引けを取らない」について解説しました。「引けを取らない」は、簡単に言えば「比較対象の相手に負けていない」という意味を表す慣用句です。言及対象を他と比較して、同じくらいの力か、それよりも上の力を持っている場合に使用します。

あなたが、その他大勢の人と比べて「引けを取らない」こと、何かありますか?もしあるのなら、そのことをとことん究めていきましょう。いつかきっとあなたの人生にプラスになるはずです。

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国語言葉の意味

簡単でわかりやすい!「引けを取らない」の意味は?類義語や例文・英語表現も院卒日本語教師が詳しく解説

1.吉田君は高校生ながら、プロの選手に引けを取らないくらいの体格と実力を備えている。
2.決勝戦は優勝候補のA高校と、初出場のB高校の対戦となった。ただ、B高校の今大会での強さは本物で、A高校に引けを取らない
3.私は、正義感の強さなら誰にも引けを取らない

例文1では、「吉田君は高校生だが、体格や実力はプロの選手に負けていない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。本来なら比較対象と比べて力量が低くて当然の人物(集団)が、比較対象と同程度以上の能力を持つ場合に、よく用いられるのが「引けを取らない」です。

例文2では、「優勝候補のA高校と対戦するのはB高校だが、強さに差はほぼない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。比較対象と比べて同程度、またはそれ以上の強さがあることを表すのが「引けを取らない」です。

例文3では、「私は正義感の強さなら誰にも負けない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。「誰にも負けない」という意味で使われるのが「誰にも引けを取らない」という言い方です。

「引けを取らない」の類義語は?

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続いて、「引けを取らない」の類義語を確認していきましょう。「引けを取らない」の類義語は「勝るとも劣らない」「負けず劣らず」「互角」「伯仲」です。意味やニュアンスを確認し、「引けを取らない」と比較してみてください。

「勝るとも劣らない」:互角またはそれ以上

「勝るとも劣らない」は「互角またはそれ以上」という意味の慣用句です。比較対象と比べて、力量や規模などが同等以上であることを表します。意味やニュアンスは「引けを取らない」と違いはありません。

「負けず劣らず」:両者同程度で優劣がつけづらい

「負けず劣らず」は「両者同程度で優劣がつけづらい」という意味の慣用句です。比較対象と比べて、力量や規模が負けておらず同程度であることを表します。「引けを取らない」との違いは、「引けを取らない」は両者の実力が同等”以上”であることを表すのに対し、「負けず劣らず」は同等”くらい”であることを表す点です。

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