1.吉田君は高校生ながら、プロの選手に引けを取らないくらいの体格と実力を備えている。
2.決勝戦は優勝候補のA高校と、初出場のB高校の対戦となった。ただ、B高校の今大会での強さは本物で、A高校に引けを取らない。
3.私は、正義感の強さなら誰にも引けを取らない。
例文1では、「吉田君は高校生だが、体格や実力はプロの選手に負けていない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。本来なら比較対象と比べて力量が低くて当然の人物(集団)が、比較対象と同程度以上の能力を持つ場合に、よく用いられるのが「引けを取らない」です。
例文2では、「優勝候補のA高校と対戦するのはB高校だが、強さに差はほぼない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。比較対象と比べて同程度、またはそれ以上の強さがあることを表すのが「引けを取らない」です。
例文3では、「私は正義感の強さなら誰にも負けない」という文脈で「引けを取らない」が使用されています。「誰にも負けない」という意味で使われるのが「誰にも引けを取らない」という言い方です。
「引けを取らない」の類義語は?
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続いて、「引けを取らない」の類義語を確認していきましょう。「引けを取らない」の類義語は「勝るとも劣らない」「負けず劣らず」「互角」「伯仲」です。意味やニュアンスを確認し、「引けを取らない」と比較してみてください。
「勝るとも劣らない」:互角またはそれ以上
「勝るとも劣らない」は「互角またはそれ以上」という意味の慣用句です。比較対象と比べて、力量や規模などが同等以上であることを表します。意味やニュアンスは「引けを取らない」と違いはありません。
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「負けず劣らず」:両者同程度で優劣がつけづらい
「負けず劣らず」は「両者同程度で優劣がつけづらい」という意味の慣用句です。比較対象と比べて、力量や規模が負けておらず同程度であることを表します。「引けを取らない」との違いは、「引けを取らない」は両者の実力が同等”以上”であることを表すのに対し、「負けず劣らず」は同等”くらい”であることを表す点です。
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