「東西問題」
「東西問題」(とうざいもんだい)は、第二次世界大戦後の東側諸国(旧ソ連を中心とする社会主義、共産主義諸国)と西側(アメリカを中心とする資本主義国、自由主義国)との政治的、軍事的、経済的な対立問題のことを言います。
「冷戦」と「東西問題」との言葉のニュアンスで異なる点は、「冷戦」には、戦後、東西が対立していた状態にあったことの他に、両陣営のリーダーである旧ソビエトとアメリカが直接戦争に突入することがなかった意味を含むのに対して、「東西問題」の方は直接戦争に発展しなかったことは必ずしも意味せず、東側と西側の一連の問題のことをさしているのです。
「冷たい戦争」の対義語は?
それでは、対義語についてご紹介しましょう。
「熱い戦争」
「冷戦」が経済、軍事の協定を結び、軍備の増強を行う一方で直接戦争はしない状態であったのに対して、「熱い戦争」(あついせんそう)は、実際に武器を使って戦う戦争のことを指します。「冷戦」に対して反対語として、「熱戦」(ねっせん)や「熱い戦い」を使えるかと言えば、「冷戦」が話題になっている話の脈絡では、相手にも意味が通じるかと思いますが、それまでの話となんの脈絡もなく「熱戦」や「熱い戦い」のことばを使ってしまうと多くの人は高校野球やサッカーやラグビーの試合の話だと勘違いしてしまうおそれもあることから「冷戦」の反対語として使いたいのであれば、やはり、「熱い戦争」という単語をを使った方が適切でしょう。
「Cold War」
「冷たい戦争」は英語では「Cold War」(コールド・ウォー)と言われています。
アメリカのジャーナリストであるウォルター・リップマン(=Walter Lippmann)が自身の著作の中で、戦後の世界情勢は、アメリカと旧ソ連は直接戦争は行わないものの、実際には、両陣営が競って軍備を増強し、それぞれの主義の陣営に第三国を組み入れようとしている時代だと、戦後の状態を説明しました。リップマンは生涯で2度ピューリッツァー賞を受賞し、20世紀において、「最も影響力のあったジャーナリスト」とも「現代ジャーナリズムの父」とも評されています。
それではいくつか、例文をご紹介しましょう。
1.The world situation called ”the cold war” had been continuing since the end of the World War 2, but the cold war ended when the Soviet Union collapsed.
(冷戦と呼ばれる状況は世界の情勢は、第二次世界大戦後以来続いてきました。冷戦が終了したのはソビエト連邦が崩壊したときでした。)
2.During the Cold War, Europe was divided into the eastern and western sides leaded by two huge power countries, America and Soviet Union
(冷戦の間、ヨーロッパは二つの巨大国であるアメリカとソビエト連邦によって東側と西側に分けられていきました)
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