「話が弾む」という言葉の意味、理解できていますか? 簡単に言えば「会話が活発に続く」という意味の表現ですが。今回はこの「話が弾む」について、院卒日本語教師の筆者が解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働いている日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「話が弾む」の意味や使い方は?

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「話が弾む」という言葉、見聞きしたことがあるという人が多いのではないでしょうか。実際に使ったことがあるという人も多いでしょう。ただ、正確な意味や使い方を考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。まずは「話が弾む」の意味と使い方を見ていきましょう。

「話が弾む」の意味は「会話が活発に続く」

最初に、「話が弾む」の辞書での意味を確認していきましょう。「話が弾む」は、国語辞典には次のような意味が掲載されています。

会話が活発に続く。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「◆話が弾(はず)・む」

「話が弾む」は「会話が活発に続く」という意味の慣用句です。ここでの「弾む」は「調子に乗って勢いづく」という意味ですね。会話が次から次へとポンポン進んでいく様子を表すのが、この「話が弾む」です。なお、「会話が弾む」という言い方をする場合がありますが、意味やニュアンスは全く同じで、違いはありません。

「話が弾む」の使い方を例文とともに確認!

続いて、「話が弾む」の使い方を確認していきましょう。「話が弾む」が含まれた例文を3つご用意しました。例文とともに、どのような文脈や意味で使われているかを確認していきましょう。

\次のページで「「話が弾む」の類義語は?」を解説!/

1.同窓会にて、そろばん部で仲の良かった田中さんに10年ぶりに再会した。懐かしい思い出の話が弾み、とても楽しかった。
2.現代言語学研究会で発表した後の懇親会で、私の発表に興味を持ってくださった他大の教授と話が弾んだ
3.藤井さんと会うといつも話が弾む。これからも大切にしたい友人だ。

例文1では、「懐かしい思い出の話が次から次へと出て止まらず、」という意味で「話が弾む」が使用されています。同窓会でかつて仲の良かった友達に久々に会ったら、話が止まらなくなって当然ですよね。

例文2では、「私の発表に興味を持ってくれた他大学の教授と会話が次から次へと進んだ」という意味で「話が弾む」が使用されています。ある話題について会話が盛り上がるような場合にも「話が弾む」は使用されますね。

例文3では、「藤井さんと会うと、いつも会話が止まらない」という意味で「話が弾む」が使用されています。会うとずーっと話し込んでしまう友達、いませんか?そのような話が止まらない様子を表すのに使用できるのが、この「話が弾む」なのです。

「話が弾む」の類義語は?

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次に、「話が弾む」の類義語について確認していきましょう。「話が弾む」の類義語は「話に花が咲く」と「話が盛り上がる」です。意味やニュアンスを確認し、「話が弾む」と比較してみてください。

「話に花が咲く」:様々な話題が次から次へと出てきて会話が続く

「話に花が咲く」は「様々な話題が次から次へと出てきて会話が続く」という意味の慣用句です。「話が弾む」とほぼ同じ意味とニュアンスを持ち、お互いに言い換えも可能ですね。「思い出話に花が咲く」など、「○○話に花が咲く」という使い方をすることが多いのも特徴の1つです。

「話が盛り上がる」:話がどんどん進んでいくこと

「話が盛り上がる」は「話がどんどん進んでいくこと」という意味の慣用句です。会話が次から次へと途切れずに行われていく様子を表します。こちらも「話が弾む」とほぼ同じ意味とニュアンスを持ち、お互いに言い換えが可能です。

\次のページで「「話が弾む」の英語表現は?」を解説!/

「話が弾む」の英語表現は?

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次に、「話が弾む」の英語表現を確認していきましょう。「話が弾む」の英語表現は「have a lively conversation」です。ここでは意味や使い方を例文とともに確認します。

「have a lively conversation」:活発な会話をする

「have a lively conversation」は直訳すると「活発な会話をする」という意味で、「話が弾む」や「話に花が咲く」の訳語として用いられる表現です。「lively」が「活発な」「活気のある」という意味を表しています。例文は以下の通りです。

1.I met up with my old friend Smith for the first time in 15 years. We had a lively conversation and really enjoyed our time together.
旧友のスミス氏に15年ぶりに再会した。話が弾み、本当に楽しい時間を過ごすことができた。

2.When I go out for a drink at a bar with members of my laboratory, we have a lively conversation not only about research but also about a variety of other topics.
研究室のメンバーと飲みに行くと、研究の話題だけでなく様々な話題で話が弾む

「話が弾む」の対義語は?

最後に、「話が弾む」の対義語を確認していきましょう。「話が弾む」の対義語は「お通夜のような」です。どのような場合に使われる言葉なのか、確認しましょう。

「お通夜のような」:暗く沈んだ雰囲気

「お通夜のような(おつやのような)」は「暗く沈んだ雰囲気」を表す慣用表現です。「お通夜」は人が亡くなった際に、家族や親戚が集まり亡骸とともに一夜を過ごして冥福を祈る儀式のことですね。大切な人が亡くなった直後に行われるこのお通夜では、どうしても悲しい思いにあふれ、人々はほぼ話さず、暗く沈んだ雰囲気になっていまいます。

人々がほぼ話さず暗く沈んだ様子であることを表すのに「お通夜」をたとえとして使用した表現が、この「お通夜のような」です。

\次のページで「「話が弾む」友達との関係は大切に!」を解説!/

「話が弾む」友達との関係は大切に!

今回は「話が弾む」について解説しました。「話が弾む」は「会話が活発に続く」という意味の慣用句で、会話が次から次へとポンポン進んでいく様子を表します。

あなたには、一緒にいると「話が弾む」友人はいますか?もしいるのなら大切にしましょう。あなたが困った時に最も頼りになる人物の1人が、きっとその友人ですから。

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国語言葉の意味

話がポンポンポンポン!「話が弾む」の意味や類義語などを院卒日本語教師がわかりやすく解説

「話が弾む」という言葉の意味、理解できていますか? 簡単に言えば「会話が活発に続く」という意味の表現ですが。今回はこの「話が弾む」について、院卒日本語教師の筆者が解説していきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で働いている日本で大学院修士課程修了の日本語教師。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「話が弾む」の意味や使い方は?

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「話が弾む」という言葉、見聞きしたことがあるという人が多いのではないでしょうか。実際に使ったことがあるという人も多いでしょう。ただ、正確な意味や使い方を考えたことがある人は少ないのではないでしょうか。まずは「話が弾む」の意味と使い方を見ていきましょう。

「話が弾む」の意味は「会話が活発に続く」

最初に、「話が弾む」の辞書での意味を確認していきましょう。「話が弾む」は、国語辞典には次のような意味が掲載されています。

会話が活発に続く。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「◆話が弾(はず)・む」

「話が弾む」は「会話が活発に続く」という意味の慣用句です。ここでの「弾む」は「調子に乗って勢いづく」という意味ですね。会話が次から次へとポンポン進んでいく様子を表すのが、この「話が弾む」です。なお、「会話が弾む」という言い方をする場合がありますが、意味やニュアンスは全く同じで、違いはありません。

「話が弾む」の使い方を例文とともに確認!

続いて、「話が弾む」の使い方を確認していきましょう。「話が弾む」が含まれた例文を3つご用意しました。例文とともに、どのような文脈や意味で使われているかを確認していきましょう。

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