この記事では「地水火風」について解説する。

端的に言えば地水火風の意味は「万物を構成する地と水と火と風の四要素のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「地水火風」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「地水火風」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「地水火風」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「ちすいかふう」です。とくに意味や語源については、可能な限り丁寧に見ていきますよ。

「地水火風」の意味は?

「地水火風」には、次のような意味があります。「地水火風」という四字熟語の基本的な意味のほか、もととなる考え方などについても詳しく見ていきましょう。

1.仏語。地と水と火と風。万物を構成する四つの要素。四大(しだい)。四大種。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「地水火風」

仏教では、四種の元素をあらゆる物質的存在を構成する四種の元素として説いています。地は堅さ、水は湿り気、火は熱さ、風は動きを本質とするものです。

現在においては、銅や鉄などの元素からなるもの、水素や酸素などの分子からなるものが物質を構成する要素であると認識されているものにあたります。17世紀頃から、このような科学的な元素の分類の考え方がすすんでいきました。

「地水火風」の語源は?

次に「地水火風」の語源を確認しておきましょう。語源となる過去の意味合いや実際の現在のとらえ方も交えて確認していきますよ。

「地水火風」とは、もともとは地、水、火、風の四つがさまざまに混じり合うことで、あらゆる物質を構成していると考えられていました。しかし、のちに人間生活が営まれる自然界の地、水、火、風は、元素としての地、水、火、風とは別のもので、地の「堅さ」、水の「湿潤性」、火の「熱性」、風の「流動性」という性質が四元素の本質であると考えられるようになりました。

\次のページで「「地水火風」の使い方・例文」を解説!/

「地水火風」の使い方・例文

「地水火風」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。意味合いから使い方、文法的に見た使い方と両面から見ていきますよ。

1.消費者がお買い物をして購入するあらゆる物理的な商品が、地水火風の考え方がもとにある。
2.ものづくりでない地水火風に関連しない情報サービスや配送サービスなどが増えてきている。

例文1.は、物質的なモノである以上は全て元素がもとになっているということを表しています。例文の2.のほうは、現代では物質的なモノではない商品が増えてきていることを示した文です。

また、文法的な観点から見てみると、例文1.では「地水火風の…」、例文2.は「地水火風に…」と四字熟語をそのまま名詞として使っています。このような使い方が一般的です。

「地水火風」の類義語は?違いは?

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それでは、「地水火風」の類義語についての説明です。「地水火風」は一つの考え方でもあるので、近い意味の四字熟語について一緒に見ていきましょう。

「陰陽五行」

「地水火風」の類義語には、「陰陽五行(いんようごぎょう)」があります。意味は、万物を作り出す陰と陽の二気と万物を生じるもととなる水、火、木、金、土の五元素のことです。古来からの中国では、これらの要素をもとにして、自然の変異にとどまらずあらゆることの吉凶禍福(きっきょうかふく)を解釈し説明しようとしました。日本の陰陽道もこの考え方を参考にしています。

なお、これらの五行が互いに影響しあって対応し相手を強めたり効果が付与されるという考える場合を「五行相生(ごぎょうそうしょう)」と言い、逆に互いに影響しあって弱める働きがあると考えることを「五行相剋(ごぎょうそうこく)」と言いますよ。

「地水火風」の四要素を含むのが「陰陽五行」となります。それなら「地水火風」が一部を表す限定的な内容で、「陰陽五行」のほうが詳細なのかというとそういうことでもありません。「陰陽五行」のほうは、物質的な意味合いから離れた内容も含むので、対象や条件が広がったものと考えるといいですね。

\次のページで「「地水火風」の対義語は?」を解説!/

「地水火風」の対義語は?

次に、「地水火風」の対義語についての説明です。「地水火風」と考え方が違うものや「地水火風」が崩れた状態などの対義語について詳しく見ていきましょう。

「色即是空」

「地水火風」の対義語には、「色即是空(しきそくぜくう)」があります。意味は、現世に存在するあらゆる事物や現象は実体ではなく無であるということです。「色」はこの世にあるすべての事物や現象のこと、「即是」はすなわち、「空」は何もなくむなしいことや実体がなく空無であることを表します。

「色即是空」は実際の有無とは別に、すべてのものを無とするという考え方です。また、現代は所定の金額を支払って購入したり、クリックひとつで注文すれば商品が発送される時代となっていますが、世間の欲望は全て無意味であるというときにも使われることもあります。

「四百四病」

もう一つの対義語には、「四百四病(しひゃくしびょう)」があります。人がかかる病気のすべてのことという意味です。仏教語であり、人体を構成する地、水、火、風の四元素が変調をきたしたりバランスが崩れた結果、それぞれ百一の病気を生ずるとされています。

物質を構成するものとしての「地水火風」に対して、そのバランスが崩れた状態を表すのが「四百四病」ということです。

「地水火風」の英訳は?

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最後に、「地水火風」の英訳についての説明です。「地水火風」の意味が伝わりやすい英語表現を紹介していきますので、一緒に見ていきましょう。

「the four elements composing the universe」

「地水火風」の英訳には、「the four elements composing the universe」があります。直訳すると「世界を構成する四要素」です。具体的な要素の表現を加味して言うなら、さらに「consisting of earth, water, fire and wind(地、水、火、風から成る)」を付け加えるといいですね。

四要素を表す表現方法はほかにもありますが、必要に応じて「地水火風」を表す単語を加えるとわかりやすくなります。

\次のページで「「地水火風」を使いこなそう」を解説!/

「地水火風」を使いこなそう

今回の記事では「地水火風」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「地水火風」の基本的な意味は、万物を構成する「地、水、火、風」の四つの要素のことです。四元素は科学的にはさまざま証明されていますが、長い時間を経ても考え方としては残っています。現代でも、ゲームやキャラクターに「地、水、火、風」を含むものがありますよね。

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【四字熟語】「地水火風」の意味や使い方は?例文や類語などを現役塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「地水火風」について解説する。

端的に言えば地水火風の意味は「万物を構成する地と水と火と風の四要素のこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「地水火風」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム

10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。

「地水火風」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「地水火風」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「ちすいかふう」です。とくに意味や語源については、可能な限り丁寧に見ていきますよ。

「地水火風」の意味は?

「地水火風」には、次のような意味があります。「地水火風」という四字熟語の基本的な意味のほか、もととなる考え方などについても詳しく見ていきましょう。

1.仏語。地と水と火と風。万物を構成する四つの要素。四大(しだい)。四大種。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「地水火風」

仏教では、四種の元素をあらゆる物質的存在を構成する四種の元素として説いています。地は堅さ、水は湿り気、火は熱さ、風は動きを本質とするものです。

現在においては、銅や鉄などの元素からなるもの、水素や酸素などの分子からなるものが物質を構成する要素であると認識されているものにあたります。17世紀頃から、このような科学的な元素の分類の考え方がすすんでいきました。

「地水火風」の語源は?

次に「地水火風」の語源を確認しておきましょう。語源となる過去の意味合いや実際の現在のとらえ方も交えて確認していきますよ。

「地水火風」とは、もともとは地、水、火、風の四つがさまざまに混じり合うことで、あらゆる物質を構成していると考えられていました。しかし、のちに人間生活が営まれる自然界の地、水、火、風は、元素としての地、水、火、風とは別のもので、地の「堅さ」、水の「湿潤性」、火の「熱性」、風の「流動性」という性質が四元素の本質であると考えられるようになりました。

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