
「火に油を注ぐ」: 悪い状況をさらに悪化させること
「火に油を注ぐ」は”悪い状況をさらに悪化させること”の意味です。火が点いているところに油を注ぐ、読んで字のごとしですが、さらに火が燃え広がるのがわかりますね。
例えば、「不機嫌だった彼女に嘘がバレたことは、結果的に火に油を注ぐ結果となった」です。彼女が不機嫌だったところに嘘が発覚ですから、これが「油を注いだ」こととなり、事態は悪い方向へいってしまいましたね。
「追い風に乗る」: 物事が良い方向へ進んでいる様子
「追い風に乗る」は”物事が良い方向へ進んでいる様子”を表します。向かい風は正面から吹く風ですのでなかなか進みませんが、追い風は進行方向へ背中を押してくれる風です。転じて、良い方向へ進む風に乗るという意味になります。例えば「彼はこの春に昇進し、今追い風に乗っている」は、彼がこの春から昇進したことでますます順調に進んでいることがわかるでしょう。
「輪をかける」: いっそう激しくなるさま
「輪をかける」の意味は”いっそう激しくなる様子”です。例えば「ただでさえ忙しいのに、母の世話をするしかなく輪をかけて慌ただしくなった」は、忙しくしていたところに母の世話が加わり、よりいっそう忙しくなったことの意味になります。これは「拍車をかける」と同じ使い方ですね。
「輪をかける」の由来は、弓道から来ていると言われています。「輪」は、弦を張るときに弓にかける弦輪(つるわ)のことです。この弦輪によって弦がしっかりと張られ、矢を強く放つことができます。すなわち、輪をかけることがよりいっそう激しくなる様子の表現につながるのです。
「歯止めをかける」:事態の進行を食い止めること
「歯止めをかける」は”事態の進行を抑えること”の意味です。「歯止め」は、車輪が勝手に動かないように、車輪と地面の間など接触面に挟んでおく道具のことを言います。例えば「少子高齢化に歯止めをかける政策が必要だ」は、少子高齢化を食い止める政策が必要だということです。
「水を差す」:物事の邪魔をして乱すこと
「水を差す」は、”物事の邪魔を横からすること”です。うまくいっている状況の中、横から邪魔をするのが「水を差す」なので、「拍車をかける」とは反対の意味になります。
例えば「まとまりかけた会議も、部長の発言が水を差し長引く結果となった」です。こちらは、順調に進んでいた会議だったが、部長の発言により会議が邪魔され長引くこととなった、そのような意味になります。
\次のページで「「足止めを食らう」:順調な流れが止まること」を解説!/