その3.シベリア気団
次はシベリア気団です。シベリア気団は日射の弱まりや放射冷却による寒冷になったシベリアにできる地上から1から2kmの厚さの、冷たく乾燥した寒帯大陸性気団になります。この気団にともなうシベリア高気圧から寒気が日本海方面に吹き出すと、比較的暖かい日本海を通過する際に熱と水蒸気を受け取って雪雲が発生し、日本列島の日本海側に大量の雪をもたすのです。
その4.揚子江気団
次は揚子江気団です。中国の流域に位置する高温・乾燥な気団で、熱帯大陸性気団に属しますが、亜熱帯性気団とすることもあります。中国の華南や華中、インドシナ半島北部は中緯度高圧帯に位置するため、雨は一時期に集中して降り周辺の地域に比べて比較的乾燥した高温の状態が続くようです。また、チベット高原には夏を中心に春から秋にかけてモンスーンの影響による東西に長いチベット高気圧ができ、同じく乾燥した高温の状態が続きます。そのため、春から秋の間、高温で乾燥した気団が中国揚子江付近に出現するのです。
その5.赤道気団
最後に赤道気団も紹介しておきます。赤道気団とは、赤道付近の海洋に位置する、高温・多湿な気団です。太平洋、インド洋、大西洋の赤道付近に帯状に分布していてる赤道海洋性気団になります。熱帯気団の変質によって生じる気団です。季節の変化により、熱帯収束帯が南北に移動するに伴って、春や秋には赤道付近、北半球が夏・南半球が冬の時には北緯10度付近、北半球が冬・南半球が夏の時には南緯10度付近にだいたい位置しています。
赤道気団は、海洋から蒸発する大量の水蒸気を含んでいるため、上昇気流によって水蒸気が上空高くまで運ばれるため、対流圏低層から高高層まで高温・多湿の空気の塊となっているようです。そのためスコールのような激しい風雨をもたらし、モンスーンによってインドネシアや太平洋・インド洋の島々などに大量の雨を降らせます。日本の天候に直接影響をもたらす赤道気団は、台風によるものにかぎられるようです。
前線について
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前線についても簡単に紹介しておきましょう。前線とは異なる気団の境目で、温度などの空気の性質が不連続に変化する境界のことです。前線が通過する地点では、気温・風・気圧などが急に変化し、また、降水が起こることが多くなります。前線は、寒冷前線・温暖前線・閉塞前線・停滞前線に分類されているのです。
上記の画像は寒冷前線と温暖前線の模式図になります。
その1.寒冷前線
前線の構造や雨の分布は低気圧の発達の諸段階、大気の成層状態などにより異なりますが、通常は以下のような性質を持っています。寒冷前線は暖気を強制的に上昇させながら進行し、その通過時には南寄りの風が急に北寄りの風に変わるのです。また、活発な積乱雲が短時間に強い雨をもたらし、雷・突風・雹をともなうことも多くなります。
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