今回は気団について解説していきます。

気団という言葉は天気予報などで聞いたことがあるかもしれない。気団は天候にとって重要な要素となるので、知っておいて損はないでしょう。

今回は物理学科出身のライター・トオルさんと解説していくぞ

ライター/トオル

物理学科出身のライター。広く科学一般に興味を持つ。初学者でも理解できる記事を目指している。

気団について

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気団というのは、簡単に言えば同じような特徴で、比較的均一な巨大な空気の塊のことです。大抵は高気圧で、同じような場所で大きくなったり小さくなったりしています。巨大な空気の塊ですので、その場所の天気を大まかに決めているのです。気団と気団の境界では複雑な気象になりやすく、天気も複雑になりやすくなります。日本は気団の境界になることが多いので、天気が頻繁にかわることが多いのです。今回はこのような気団について学んでみましょう。

高気圧と気団

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高気圧とは、天気図では閉じた等圧線で囲まれた周囲に比べ気圧が高い領域の事です。大規模な高気圧があまり移動しないと、その中心付近では風が弱いため空気が長時間地表面の影響を受け、水平方向に数千kmにわたり気温や湿度などが均質な空気の塊ができあがります。これが気団です。

気団は温度の観点から熱帯気団(T)寒帯気団(P)および極気団(A)赤道気団(E)湿度の観点から大陸性気団(c)海洋性気団(m)に分類され、一般にはそのうちの二者を組み合わせて寒帯大陸性気団(cP)や熱帯海洋性気団(mT)などと表現されます。大陸性気団は乾燥、海洋性気団は湿潤です。

また、北極や南極の気団は非常に低温で、寒帯、熱帯、赤道の順に暖かくなっていきます。南極には、南極大陸性気団しか存在せず、そのまわりを寒帯海洋性気団が取り囲んでいるのです。また、北極海洋性気団も冬季には、海が凍結するために温度が低くなり、北極大陸性気団とあまり変わらなくなります。上記の画像は、北アメリカの気候に影響を与える七つの気団の模式画像です。

日本周辺の気団

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ここからは日本周辺の気団について紹介していきます。日本は気団の境目あたりありますので、日本の周辺に存在している気団は4つと多いです。直接的な影響はありませんが、日本に間接的に影響を赤道気団についても紹介しています。

上記の画像はオホーツク海とその周辺の地図です。

その1.オホーツク海気団

まず一つ目は寒帯海洋性気団であるオホーツク海気団です。梅雨の時期になるとブロッキング高気圧がオホーツク海付近に形成されることが多く、これをオホーツク海気団と呼びます。通常、ブロッキング高気圧内には断熱昇温により暖かい空気が存在しますが、オホーツク海は寒冷であるためオホーツク海高気圧の下層の大気は冷たく湿潤な性質を持っていて、これがオホーツク海気団です。盛夏まで日本がこの気団におおわれると、北日本では低温と日照不足による冷害が起こきます。

その2.小笠原気団

次は小笠原気団になります。北太平洋域は北半球ハドレー循環の下降域に対応しており、1年を通じて北太平洋高気圧と呼ばれる亜熱帯高気圧が存在して、夏になると北太平洋高気圧は北西に張り出し、小笠原諸島付近に一つの中心を持つことがあるのです。この張り出した部分を小笠原高気圧、それにともなう熱帯海洋性気団を小笠原気団と呼びます。小笠原高気圧または小笠原気団に覆われると高温・湿潤・晴天の天気なるようです。

\次のページで「その3.シベリア気団」を解説!/

その3.シベリア気団

次はシベリア気団です。シベリア気団は日射の弱まりや放射冷却による寒冷になったシベリアにできる地上から1から2kmの厚さの、冷たく乾燥した寒帯大陸性気団になります。この気団にともなうシベリア高気圧から寒気が日本海方面に吹き出すと、比較的暖かい日本海を通過する際に熱と水蒸気を受け取って雪雲が発生し、日本列島の日本海側に大量の雪をもたすのです。

その4.揚子江気団

次は揚子江気団です。中国の流域に位置する高温・乾燥な気団で、熱帯大陸性気団に属しますが、亜熱帯性気団とすることもあります。中国の華南や華中、インドシナ半島北部は中緯度高圧帯に位置するため、雨は一時期に集中して降り周辺の地域に比べて比較的乾燥した高温の状態が続くようです。また、チベット高原には夏を中心に春から秋にかけてモンスーンの影響による東西に長いチベット高気圧ができ、同じく乾燥した高温の状態が続きます。そのため、春から秋の間、高温で乾燥した気団が中国揚子江付近に出現するのです。

その5.赤道気団

最後に赤道気団も紹介しておきます。赤道気団とは、赤道付近の海洋に位置する、高温・多湿な気団です。太平洋、インド洋、大西洋の赤道付近に帯状に分布していてる赤道海洋性気団になります。熱帯気団の変質によって生じる気団です。季節の変化により、熱帯収束帯が南北に移動するに伴って、春や秋には赤道付近、北半球が夏・南半球が冬の時には北緯10度付近、北半球が冬・南半球が夏の時には南緯10度付近にだいたい位置しています。

赤道気団は、海洋から蒸発する大量の水蒸気を含んでいるため、上昇気流によって水蒸気が上空高くまで運ばれるため、対流圏低層から高高層まで高温・多湿の空気の塊となっているようです。そのためスコールのような激しい風雨をもたらし、モンスーンによってインドネシアや太平洋・インド洋の島々などに大量の雨を降らせます。日本の天候に直接影響をもたらす赤道気団は、台風によるものにかぎられるようです。

前線について

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前線についても簡単に紹介しておきましょう。前線とは異なる気団の境目で、温度などの空気の性質が不連続に変化する境界のことです。前線が通過する地点では、気温・風・気圧などが急に変化し、また、降水が起こることが多くなります。前線は、寒冷前線温暖前線閉塞前線停滞前線に分類されているのです。

上記の画像は寒冷前線と温暖前線の模式図になります。

その1.寒冷前線

前線の構造や雨の分布は低気圧の発達の諸段階、大気の成層状態などにより異なりますが、通常は以下のような性質を持っています。寒冷前線は暖気を強制的に上昇させながら進行し、その通過時には南寄りの風が急に北寄りの風に変わるのです。また、活発な積乱雲が短時間に強い雨をもたらし、雷・突風・雹をともなうことも多くなります。

\次のページで「その2.温暖前線」を解説!/

その2.温暖前線

温暖前線は一様に傾斜した前線面にそって暖気が寒気上を這いあがる構造です。温暖前線が近づいてくると、まず前線面上に発生した巻雲や巻層雲が上空に観測され、その後高層雲や乱層雲にともなうおだやかな雨が長時間観測される場合が多くなります。十分に発達した低気圧の中心近くでは寒冷前線が温暖前線に追いつくことで閉塞前線が形成されると言わているようです。

その3.寒冷型閉塞前線暖前線

閉塞前線には寒冷型閉塞前線温暖型閉塞前線があります。寒冷型閉塞前線は、寒冷前線側の寒気の方が温度が低く、温暖前線型の寒気の下に潜り込んでいき、閉塞前線は寒冷前線側に形成される閉塞前線のことです。前線面の傾斜はやや急で、前線通過時の気象も寒冷前線に近いものになります。

その4.温暖型閉塞前線

温暖型閉塞前線温暖前線側の寒気の温度が低いため、寒冷前線型の寒気がその上に上がり温暖前線面に沿った閉塞前線が形成される閉塞前線のことです。前線面の傾斜は緩やかで、前線通過時の気象は温暖前線に近くなります。ただ、実際の閉塞前線は多種多様で、一部だけ温暖型で他は寒冷型になったり、温暖型と寒冷型が拮抗したりしていることもあるのです。

その5.停滞前線

上空の風向きと前線が伸びる向きが平衡になっていると、ほとんど移動しない停滞前線ができます。停滞前線の多くは東西に延び、南の暖気団と北の冷気団との相対的な勢力により、南北に移動するようです。梅雨前線や秋雨前線がその代表例になります

気団がだいたい決める

気団がだいたい決める

image by Study-Z編集部

今回学んだように、気団とは巨大な似たような空気の塊のことです。似たような空気ですから、気団の下の巨大な領域は似たような気候や天気なります。それだけでなく、気団の境界付近は前線とよばれ、前線の性質も気団に大きく影響されているのです。

このように気団とは、その真下や周辺の気候や天気をだいだい決めています。つまり気団の性質が分かれば、その周辺の気候や天気についてだいたいのことはわかるということです。

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地学大気・海洋

3分で簡単「気団」天気に重要な影響を与える状態を理系ライターがわかりやすく解説

その3.シベリア気団

次はシベリア気団です。シベリア気団は日射の弱まりや放射冷却による寒冷になったシベリアにできる地上から1から2kmの厚さの、冷たく乾燥した寒帯大陸性気団になります。この気団にともなうシベリア高気圧から寒気が日本海方面に吹き出すと、比較的暖かい日本海を通過する際に熱と水蒸気を受け取って雪雲が発生し、日本列島の日本海側に大量の雪をもたすのです。

その4.揚子江気団

次は揚子江気団です。中国の流域に位置する高温・乾燥な気団で、熱帯大陸性気団に属しますが、亜熱帯性気団とすることもあります。中国の華南や華中、インドシナ半島北部は中緯度高圧帯に位置するため、雨は一時期に集中して降り周辺の地域に比べて比較的乾燥した高温の状態が続くようです。また、チベット高原には夏を中心に春から秋にかけてモンスーンの影響による東西に長いチベット高気圧ができ、同じく乾燥した高温の状態が続きます。そのため、春から秋の間、高温で乾燥した気団が中国揚子江付近に出現するのです。

その5.赤道気団

最後に赤道気団も紹介しておきます。赤道気団とは、赤道付近の海洋に位置する、高温・多湿な気団です。太平洋、インド洋、大西洋の赤道付近に帯状に分布していてる赤道海洋性気団になります。熱帯気団の変質によって生じる気団です。季節の変化により、熱帯収束帯が南北に移動するに伴って、春や秋には赤道付近、北半球が夏・南半球が冬の時には北緯10度付近、北半球が冬・南半球が夏の時には南緯10度付近にだいたい位置しています。

赤道気団は、海洋から蒸発する大量の水蒸気を含んでいるため、上昇気流によって水蒸気が上空高くまで運ばれるため、対流圏低層から高高層まで高温・多湿の空気の塊となっているようです。そのためスコールのような激しい風雨をもたらし、モンスーンによってインドネシアや太平洋・インド洋の島々などに大量の雨を降らせます。日本の天候に直接影響をもたらす赤道気団は、台風によるものにかぎられるようです。

前線について

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前線についても簡単に紹介しておきましょう。前線とは異なる気団の境目で、温度などの空気の性質が不連続に変化する境界のことです。前線が通過する地点では、気温・風・気圧などが急に変化し、また、降水が起こることが多くなります。前線は、寒冷前線温暖前線閉塞前線停滞前線に分類されているのです。

上記の画像は寒冷前線と温暖前線の模式図になります。

その1.寒冷前線

前線の構造や雨の分布は低気圧の発達の諸段階、大気の成層状態などにより異なりますが、通常は以下のような性質を持っています。寒冷前線は暖気を強制的に上昇させながら進行し、その通過時には南寄りの風が急に北寄りの風に変わるのです。また、活発な積乱雲が短時間に強い雨をもたらし、雷・突風・雹をともなうことも多くなります。

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