
「涅槃寂静」
もう一つの類義語には、「涅槃寂静(ねはんじゃくじょう)」があります。煩悩をなくして悟りの境地に到達することという意味です。「涅槃」とはあらゆる煩悩や苦しみから逃れた安らぎの境地のこと、「寂静」は物静かなようすを表しています。
「涅槃」はもともとサンスクリット語の「ニルヴァーナ」という言葉であり、輪廻からの解放を表していますよ。ちょうど「大悟徹底」の百丈野狐に出てくる狐は、輪廻から離脱できずにいる状態ですね。
「大悟徹底」の対義語は?
次に、「大悟徹底」の対義語についての説明です。悟りを開く意味の「大悟徹底」の反対なので、悩み迷っているのが対義語となりますね。対義語を二つ見てきましょう。
「大惑不解」
「大悟徹底」の対義語には、「大惑不解(たいわくふかい)」があります。意味は、大いに迷い惑って疑問がなかなか解けないことです。「大惑」は大いに迷ったり惑ったりすること、「不解」は疑問などが解けないことを表していますよ。
また、自分の迷いを自覚できないような凡人は、一生をかけても真理を悟ることはできないということです。この四字熟語は、『荘子(そうじ)』の天地に由来します。
「無明長夜」
もう一つの対義語には、「無明長夜(むみょうじょうや)」があります。煩悩にとらわれていて仏法の真理を理解できず迷っていることという意味です。
「無明」は根本的な聡明さにかけるために煩悩のために物事の真理が見えないこと、「長夜」は長い間のことを表しています。悟りに境地になかなか到達しないことを開けることのない長い夜にたとえた表現です。
「attain divine enlightenment」
「大悟徹底」の英訳には、「attain divine enlightenment」があります。直訳すると「宗教的な悟りに到達する」です。それぞれの単語には、「attain(成し遂げる、到達する)」「divine(神聖な、宗教的な)」「enlightenment(啓発、悟り)」という意味があります。
ほかには、「perceive absolute truth」とすると「絶対の真理を悟る」という意味で、ほぼ同じ意味で使うことができますよ。
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