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6に「金銭」という意味がありますね。「お金には足がないのに足があるかのように世間を渡っていくこと」から、金銭のことを「足」といいます。『晋書』の「足無くして走る」に由来していますよ。
女房言葉(宮中に仕える女房が使っていた言葉)では丁寧語の「お」をつけて「御足(おあし)」といいます。たとえば「おあしがない」は「お金がない」という意味です。ずいぶん昔から「足」をお金の意味で使っていたのですね。
「足が出る」の使い方
例文で「足が出る」の使い方を見ていきましょう。
1.会長は「みんなが満足できる店を予約して」と言ったが、会計担当は「会費はひとり3000円で足が出ないようにして」と言った。
2.これまで何とか足が出ないように家計をやりくりしてきたが、食品も日用品も何もかも値上がりしていて、今月は赤字になりそうだ。
3.姑がわが家を訪れると急に連絡があったので、大急ぎでリビングだけ片づけた。何とか体裁を整えたと思ったのに、荷物を詰め込んだ和室を見られて足が出た。
最初の例文は、会長には良い店を予約するように頼まれ、会計には予算内で赤字が出ないように頼まれたということです。これを両立するのはなかなか大変ですね。2番目の例文は、家計が赤字にならないように頑張ってきたが、支出が多いので足が出そうだという意味です。3番目の例文は、リビングはきれいにしたのに、見られては困る和室を見られてボロが出てしまったということですよ。
「採算割れ」:採算がとれない
「採算」とは「利益があるかどうか、収入と支出を計算してみること」です。収支がひきあい利益があることを「採算が合う」「採算がとれる」といいます。「採算割れ」は「原価より商品の市価のほうが下落するなどして採算がとれないこと」「利益がでないこと」という意味です。
「間尺(ましゃく)に合わない」:損になる
「間尺」とは「建築物の寸法」のほかに「損得の計算」「利害の割合」という意味があります。「間尺に合わない」は損得の計算が合わないことなので「損になる」「割に合わない」という意味です。
「馬脚(ばきゃく)を露(あらわ)す」:化けの皮がはがれる
「馬脚」は「馬の足」ですが、この場合は「芝居で馬の足を演じている役者」のことを指しています。「馬脚を露す」は「馬の足を演じている役者がうっかりその姿を見せてしまう」ことから「隠していたことがあらわれる」「化けの皮がはがれる」という意味になりました。
「露」には「むきだしにあらわす」「あらわれる」という意味があります。「露出(ろしゅつ)」「暴露(ばくろ)」という言葉がありますね。「現す」ではありませんので注意しましょう。
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「尻尾を出す」:ぼろを出す
「尻尾」には「動物の尾」「尾に似たもの」「隠していたことが現れる端緒」という意味があります。「尻尾を出す」は、人間などに化けていた狐や狸が尻尾を出して正体を見破られることから「隠していたことが露見する」「ぼろを出す」という意味になりました。「尻尾をつかむ」は「他人の悪事の証拠を押さえる」という意味ですね。
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