3分で簡単「フェノールフタレイン」溶液の色の変化や指示薬も元研究員がわかりやすく解説
2.フェノールフタレイン溶液を使った実験
フェノールフタレイン溶液がアルカリ性を示す指示薬として使えるという事と、pH 8.3 ~ 10.0 で赤紫色になることがわかりましたね。それでは、次にフェノールフタレイン溶液をどのように実験で使うかをお話していきましょう。
今までフェノールフタレイン溶液の話をしてきましたが、フェノールフタレインの単体は常温で白色の結晶です。水にはほとんど溶けないため、エタノール(エチルアルコール)に溶かしたものを水で薄めて溶液にします。すでに溶液になっているものも売られているので、溶液を作る(調整するといいます)作業を省略したい場合は、溶液になっているものを手に入れましょう。
2-1.中和滴定
フェノールフタレイン溶液を指示薬として使用する実験で、実際に授業で出会う有名な実験は中和滴定だと思います。
中和滴定とは中和反応を利用して、酸(またはアルカリ)の濃度を測定する実験操作です。濃度がわかっている酸(またはアルカリ)をどのくらいの量投入したら中和したかによって、濃度のわからないアルカリ(または酸)の濃度を求めるという実験になります。
しかし、中和滴定は「強酸と強アルカリ」で行う場合と「弱酸と強アルカリ」で行う場合、「強酸と弱アルカリ」で行う場合があるのです。
「強酸と強アルカリ」で中和滴定を行う場合、当量点(中和が完了したと思われる所)は中性で、さらに 1 滴強酸または強塩基を加えると pH の変化が非常に大きくなります。それなので指示薬として、フェノールフタレイン溶液やメチルオレンジ溶液も使用することが可能です。
「弱酸と強アルカリ」では当量点は弱アルカリ性になるため、酸性側で変色する指示薬は利用できません。ですから、アルカリ性側で変色するフェノールフタレイン溶液を使用します。
「強酸と弱アルカリ」では当量点が弱酸性になるため、アルカリ性側で変色するフェノールフタレイン溶液は利用できません。それなので、酸性側で変色するメチルオレンジなどの指示薬を使用します。
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2-2.アンモニア水の噴水
image by Study-Z編集部
次に、フェノールフタレイン溶液を使った実験の中でも見た目にインパクトがある実験をご紹介します。実際に理科の授業や動画で、ご覧になったことがある方も多いかもしれません。
まずアンモニアという気体を、丸底フラスコの中に入れて栓をし逆さまに固定します。そして、丸底フラスコに結合させておいたスポイトには少しの水を入れておきましょう。丸底フラスコの中と下に置くビーカーとをガラス管でつなぎます。下のビーカーにはフェノールフタレイン溶液と水を入れておきましょう。
これで実験の準備は完了しました。スポイトの中の水を丸底フラスコに注入すると、どうなると思いますか?なんと、下のビーカーからフェノールフタレイン溶液入りの水が吸い上げられて、赤い噴水のように上の丸底フラスコ内に降り注ぐのです。
なぜこのような現象が起きたのでしょう?丸底フラスコの中に入れた気体のアンモニアは、とても水に溶けやすい性質を持っています。それなので、スポイトから少しの水を送り込まれた丸底フラスコの中は、気体のアンモニアが少し水に溶けて圧力が下がるのです。
そして、圧力が下がった丸底フラスコの中に、下のビーカーの中の水が吸い上げられます。下のビーカーの中には、水とフェノールフタレイン溶液が混ざった液体が入っていましたね。水に溶けて気体のアンモニアがアルカリ性の液体であるアンモニア水に変化したことで、フェノールフタレインが赤紫色に変色し、赤い噴水を見ることができたのです。
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3.フェノールフタレインはなぜアルカリ性で色が変わるのか
最後に少し難しいですが、フェノールフタレイン溶液がなぜアルカリ性で変色するのかについて解説したいと思います。
3-1.フェノールフタレインの構造式
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フェノールフタレイン ( phenolphthalein ) は化学式 C20H14O4 の有機化合物です。酸性から中性つまり無色の時の構造式は上の図のようになります。
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