3分で簡単「イオン化エネルギー」1価の陽イオンになる時に必要なエネルギーを元研究員がわかりやすく解説
原子1個から電子1個を取り去ると1価の陽イオンになるんですが、その電子1個を取り去るのにはエネルギーが必要で、それをイオン化エネルギーと呼ぶんです。
今回は「イオン化エネルギー」と、セットで覚えておきたい「電子親和力」について、化学実験を生業にしてきたライターwingと一緒に解説していきます。
ライター/wing
元製薬会社研究員。小さい頃から化学が好きで、実験を仕事にしたいと大学で化学を専攻した。卒業後は化学分析・研究開発を生業にしてきた。化学のおもしろさを沢山の人に伝えたい!
1.電子の受け渡しでイオンになる
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ある原子がイオンになる時、どのような変化が起きていると思いますか?
そのことを知るために、まず、原子はなぜイオンになるのか?から説明していきましょう。
1-1.イオンと電子配置
18族(希ガス)の原子の電子配置は、とても安定しています。この安定した電子配置を、その他ほとんどの原子はうらやましくてたまりません。
希ガスと同じ電子配置になるには、周期表で左の方の原子は電子を放出することで、周期表で右の方( 17 族まで)は電子を受け取ることで可能になります。
それなので、原子はエネルギーを加えられることで電子を放出する、もしくはエネルギーを放出することで電子をもらうのです。
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1-2.イオンと電荷
希ガスと同じ電子配置になりたくて、持っている電子を放出もしくは外から電子をもらった原子ですが、電子はマイナスの電荷を帯びています。
原子はプラスの電荷を帯びた陽子と、マイナスの電荷を帯びた電子の数が同じことで、電気的に中性だったはずです。電子を放出する、または電子をもらってしまったら、電気的にプラスもしくはマイナスになりますよね。
電子を放出した原子は、電気的に中性なところからマイナスをひとつ取ってしまうので陽イオン(プラスの電荷を帯びたイオン)に、電子を受け取った原子はマイナスをひとつ加えるので陰イオン(マイナスの電荷を帯びたイオン)になります。
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