
端的に言えば陶犬瓦鶏の意味は「外見は立派ですが、何の役にも立たないもののこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
10数年間、中高生に学習指導をしているライターヤマトススムを呼んです。一緒に「陶犬瓦鶏」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマトススム
10数年の学習指導の経験があり、とくに英語と国語を得意とする。これまで生徒たちを難関高校や難関大学に導いてきた。
「陶犬瓦鶏」の意味や語源・使い方まとめ

image by iStockphoto
それでは早速「陶犬瓦鶏」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「とうけんがけい」であり、漢字の中に動物が含まれる特徴のある四字熟語です。意味から語源や使い方までチェックしていきますよ。
「陶犬瓦鶏」の意味は?
「陶犬瓦鶏」には、次のような意味があります。まずは、現在使われている基本的な意味を正確に確認していきましょう。
1.形ばかり立派で、実際の役に立たないもののたとえ。
出典:新明解四字熟語辞典(三省堂)「陶犬瓦鶏」
形などの見た目は申し分なくて有用に思えるものが、実際には何の役にも立たないということを表しています。もともと無用なもののイメージではなく、見た目がよいことがポイントです。
「陶犬瓦鶏」の語源は?
次に「陶犬瓦鶏」の語源を確認しておきましょう。
「陶犬瓦鶏」の由来は、中国の南北朝時代の『金楼子(きんろうし)』という書物です。『金楼子』の著者は南朝の梁(りょう)武帝の蕭繹(しょうえき)で、当時の社会生活や蕭繹自身のことについて書かれています。
「陶犬」は陶製の犬、「瓦鶏」は素焼きの鶏、ともに焼き物のことです。そして、『金楼子』には、作りものであるために、犬は夜に番犬となることができず、鶏は朝に夜明けを告げることできないということが書かれています。そういったことから、見た目は立派であっても役に立たないという意味につながっていますよ。
\次のページで「「陶犬瓦鶏」の使い方・例文」を解説!/