3分で簡単潜熱!身近な現象や技術は?理系学生ライターがわかりやすく解説
潜熱は、物質が状態変化する際に、放出または吸収するエネルギーのことです。そして、この潜熱という概念は、気象学や工学を学ぶ際にも重要になる。今回は、これらの学問の視点からも、潜熱について解説するつもりです。ぜひ、この記事を読んで、潜熱についての理解を深めてくれ。
環境工学、エネルギー工学を専攻している理系学生ライターの通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していきます。
ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。環境中における物質の流れや変化について学習する機会があったことから、潜熱についても深く理解している。
物質の三態
潜熱について学ぶ前に、物質の三態について復習しましょう。物質の状態は、物質を構成する原子や分子のもつエネルギーや相互間距離の大小により、大きく3つ分けることができます。このような表現であると、もの凄く難しい内容のように思えますが、実は固体・液体・気体のことをさしていますよ。この3種類の状態を、物質の三態と呼びます。
では、固体・液体・気体について、もう少し詳しく学んでみることにしましょう。固体は、物質を構成する原子や分子が密集している状態をさします。このとき、原子や分子はほとんど位置を変えることなく、わずかに振動していますよ。例えば、氷や常温における鉄などは固体です。
液体は、原子や分子が位置を変えることはできるが、それらの相互間距離は小さいという状況をさしていますよ。水道から出てくる水は液体です。続いて、気体について考えます。気体は、原子や分子が広範囲を飛び回っている状態をさしますよ。このとき、原子や分子の間の相互作用は小さくなります。常温における酸素や窒素は、気体ですよね。
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物質の状態変化
次に、物質の状態変化について考えます。状態変化のことを相変化と表現することもありますよ。物質の三態のうち、ある状態から別の状態に移り変わることを状態変化というのです。圧力や温度を変化させることで、状態変化は生じます。
まず、氷が融けるといった固体が液体に変化する状況を考えましょう。このような変化を融解といいます。逆に、液体が凍って固体になる変化は凝固といいますよ。では、液体が気体に変化する場合はどうでしょうか?水道水を加熱して水蒸気に変化させるといった状況です。このような変化を、蒸発といいますよ。一方、気体が液体に変化することを凝結といいます。
そして、昇華という現象についても解説しますね。昇華は、固体が気体に変化すること、気体が固体に変化することの両方を意味します。空気中におかれたドライアイスが目に見えなくなる現象が昇華です。
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