
1.通常動力潜水艦

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通常動力潜水艦では、重油や軽油などの石油系の化石燃料を使用して、潜水艦を動かします。まず、重油や軽油を燃焼させてディーゼルエンジンを動かしますよ。次に、ディーゼルエンジンによって生じた動力によって、発電機を回します。発電機から得られた電気エネルギーは、蓄電池に蓄えられるのです。スクリューや機器を動かすための電力は蓄電池から得ます。この仕組みはハイブリッド自動車(HV)に非常に似ていますよね。
重油や軽油を燃焼させるためには、酸素が必要です。そのため、ディーゼルエンジンを回して発電するときには、潜水艦は海面に浮かんだ状態になります。この間に充電を行い、充電が完了したら、海の中へ再び潜りますよ。ですが、軍用の潜水艦の場合、海面に浮かんでいる時間はできるだけ短くする必要がありますよね。つまり、急速充電を行う必要があります。
従来の通常動力潜水艦の蓄電池には鉛蓄電池が使用されていましたが、鉛蓄電池は急速充電には向いていません。そこで、最新の従来の通常動力潜水艦には、急速充電が可能なリチウムイオン蓄電池が採用されていますよ。
実際、日本国の自衛隊における最新潜水艦である「おうりゅう」と「そうりゅう」には、リチウムイオン電池が搭載されています。さらに、これらの潜水艦は港で電力会社からの電気を使って、急速充電することにも対応していますよ。この機能は、まさにプラグインハイブリッド自動車(PHEV)にそっくりですよね。
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