

潜水艦は、海などの水中を自由自在に移動することができる乗りものだ。その利用範囲は、軍事分野を中心に、深海調査、海洋資源開発などにも至る。この記事では、潜水艦の仕組みについて詳しく解説をするつもりだ。ぜひ、この機能に、潜水艦について学んでみてくれ。
塾講師として物理を高校生に教えていた経験もある通りすがりのぺんぎん船長と一緒に解説していくぞ。

解説/桜木建二
「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

ライター/通りすがりのペンギン船長
現役理系大学生。環境工学、エネルギー工学を専攻しており、物理学も幅広く勉強している。塾講師として物理を高校生に教えていた経験から、物理の学習において、つまずきやすい点や勘違いしやすい点も熟知している。
潜水艦とは?
潜水艦は、海などの水中を航行することができる乗りものです。主に、軍事、深海調査、海洋資源開発などの目的で使用されますよ。潜水艦は、水の中にいる時間が非常に長くなります。そのため、様々な工夫や技術が必要なのです。これらの工夫や技術の多くは、軍事利用を目的とした研究開発によって確立してきました。潜水艦に限らず、工学技術の発端が軍事にあることは珍しくありません。近年になっても、各国は潜水艦技術を競って高めており、特に静謐性、航続距離、航行速度などの向上に力を入れているようです。

潜水艦は、海の中を航行することができる乗りものだ。
鉛直方向
まずは、潜水艦が水中でどのようにして移動しているのか考えてみましょう。ここでは、鉛直方向の移動について解説しますね。鉛直方向の移動というのは、簡単に言えば浮いたり、沈んだりといった運動のことですよ。
潜水艦の浮き沈みに使われる力は主に浮力と重力の2つです。潜水艦に作用する浮力よりも重力のほうが大きいとき、潜水艦は下向きに運動します。一方、潜水艦に作用する浮力が重力よりも大きくなると、潜水艦は浮上しますよ。そして、潜水艦が鉛直方向に静止するのは、潜水艦に作用する浮力と重力がつりあったときです。厳密には浮力と重力以外に海の水の流れによる粘性応力なども考慮すべきですが、仕組みを理解するだけであれば、ここで説明した理論で問題ありません。
では、浮力と重力の大小はどのようにして制御するのでしょうか?重力の大きさは潜水艦の質量と重力加速度に依存しているので、潜水艦の運用される環境ではほぼ一定になりますよ。したがって、浮力の大きさを調整することで、浮力と重力の大小を調整する必要がります。潜水艦は二重構造になっており、その空間内は空気ボンベの圧力調整により、海水と空気の割合を自在にコントロールできるようになっているのです。この空間内に空気が多く存在するほど、浮力は大きくなります。
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