物理理科

5分でわかる「タッチパネル」の仕組み!どうして反応するの?理系ライターがわかりやすく解説

よぉ、桜木建二だ。今やかなり身近な存在となったタッチパネル。従来のボタンと違っていつでもどこでも好きな箇所にボタンを作れることが特徴。例えば、携帯電話の番号を押すボタン。従来式の携帯電話(ガラケー)だと決まった場所にボタンが固定されているが、スマホだと画面上に番号や文字入力のボタンが出現する。どんな仕組みなのだろうか?

解説/桜木建二

「ドラゴン桜」主人公の桜木建二。物語内では落ちこぼれ高校・龍山高校を進学校に立て直した手腕を持つ。学生から社会人まで幅広く、学びのナビゲート役を務める。

R175

ライター/R175

関西のとある国立大の理系出身。学生時代は物理が得意で理科の教員免許も持っている。技術者の経験があり、教科書の内容では終わらず身近な現象と関連付けての説明を心掛ける。

1.タッチパネルの例

image by iStockphoto

カーナビやカラオケのデンモクや最近ではスマートフォンなど。ディスプレイに触れたら操作できる端末は今やかなり身近な存在ですね。これらは一体どんな仕組みなのでしょうか。

2.なぜ便利か?

タッチパネルはなぜ普及したか?携帯電話を例にタッチパネルの便利さについて触れておきまきょう従来式携帯電話とスマートフォンでボタンはどのように変わったか?従来式の携帯電話で電話するなら、既設のメカ式ボタンで090xxxxと押していました。メカ式ボタンの方が押してる感があって好きだという意見もありますがスマートフォンではメカ式ボタンは激減(ホームボタンや戻るボタンのみ)しました。番号を押すボタンは姿を消しました。代わりに画面にボタンが表示されるようになったからです。

好きな箇所にボタンを設定できる点が便利ですね。

3.従来式の押しボタンとタッチパネル

ここでは、従来からある機械式の押しボタンとタッチパネルを比較しましょう。まず共通点は従来式のボタンもタッチパネルもどちらも押した時ので何かしらのパラメータが変わるので、それを検出している点。ボタンが押された座標の回路だけ何かしらの変化が起こるもの。

従来式のボタンでは、押したことで部品を導通させ、流れた電流を検知して動作させるものが主流。タッチパネルも従来式のボタン同様、押した時電極同士が接触することで導通を検知するものと静電容量というパラメータの変化を検知するものがあります。本記事では近年しとなっている「静電容量式」について詳しく見ていきましょう。

静電容量

静電容量

image by Study-Z編集部

英語で言うとキャパシタンス。日本語でもよく使う「キャパの概念に近いです。簡単に言うと、どれだけ電荷を蓄えられるかの指標。蓄えられる電荷は電位差(電圧)に比例しますが、電位差が同じ場合、キャパシタンスの値が大きいほどたくさんの電荷を蓄えられるもの。

ちなみに、「静電」という名前が付いていますが、これは電流が止まっているため。静電容量を考えるのはコンデンサーという部品で、導体部分と導体部分の間にギャップが設けられています。電流はギャップを通過することが出来ないので止まりますね。

電気の流れを止めてはしまいますが、全く電気を流さない絶縁体とは異なるもの。ギャップがあるだけで、ギャップの先は電流が流れることができます面白いのはギャップの先の部分はギャップの手前の部分の電荷の状態に影響を受ける点。ギャップの手前に+電荷がたくさんあればギャップの先にはそれにつられて-の電荷が集まってきます(ギャップが広過ぎるとこう言った影響を受けなくなるため、単なる絶縁体となる)。

コンデンサに直流電源を与えてもただコンデンサのところで電流が止まってしまう。一方で、電圧、電流のの向きがコロコロ変わる交流電源を与えると面白いことが起きます。交流電源では、電圧の向き大きさが周期的に変化するというもので、ある瞬間の電圧は正弦関数(sinの式)で表される。

まず正の向きに電流が流れたとするとギャップの手前側はコンデンサ付近に正の電荷が集まり、ギャップより先は逆にコンデンサ付近に負の電荷が集まる。次の瞬間、電圧、電流が逆向きになると、今度はギャップより手前側ではコンデンサ付近に負の電荷が、ギャップより先はコンデンサ付近に正の電荷が集まりますね。このような仮定で直接接触していなくても電流が流れるわけです。不思議ですね。

電荷を微分したら電流

電荷を微分したら電流

image by Study-Z編集部

そもそも、コンデンサに溜まる「電荷」の正体は何なのか?電荷はそこに溜まっている電気の合計量と考えましょう。そして電流は電気が流れてくる量、つまり単位時間に通過する電気の量です。電流が流れ、どんどん集まってきた結果電荷として溜まるものと考えましょう。

電荷が増えるためにはどんどん電流が流れてくる必要があり、電流がゼロなら電荷は変わりません電荷が増えも減りもしない。そして電荷が減るとうことは電流が逃げていく、つまり負の電流が発生している状態。このような関係を数学的に表すと、電荷の微分=電流とう式になるわけです。

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コンデンサにおいて、電荷(Q)=静電容量(C)x電圧(V)、両辺を微分すると電流I=Cx電圧の微分。ここで交流電源の電圧は正弦関数(sinの式)で表されるため、微分するとイラストのようにcosの式に変身。そして、コンデンサの静電容量Cもかかってきます。

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電流値を表す式に静電容量が登場します。電流の振幅を見ておけば静電容量Cが変わったことが分かりますね。ここがミソ。

タッチすると

タッチすると

image by Study-Z編集部

パネルに人の指が触れると、容量結合が起き、静電容量Cの値は変化回路の端っこに指によって出来たコンデンサがもう一つ繋がったような状態に。コンデンサより先の側は、タッチされていなければ電荷が溜まるのは板のみですが、タッチすると人間の指の方にも電荷が溜まるもの。こうなると当然静電容量の値は変化。Cの値が変わるので電流の波形も変わってきます。

スマートフォンの画面のあちらこちらに回路が敷かれていて、ある座標を押せばその部分のx座標、y座標での波形が変化。x=○○、y=△△の波形が変化したのでその点がタッチされたと認識されるのです。

例えばx=10〜20mm、y=20〜30mmの範囲に「はい」、x=40〜50mm、y=20〜30mmの範囲に「いいえ」と表記しておき、該当する地点の座標波形の変化があったら「はい」or「いいえ」として処理し、その他の範囲なら何も処理をしないというアルゴリズムを組んでおけばOKタッチパネルとして機能します。

微細なメカ式ボタン

超微細な回路を作ることが出来れば、メカ式のボタンをタッチパネルのように使えます。押されている座標の回路だけ導通するようにすれば、どこのボタンが押されたか検出出来ますね。ただし、ボタンの数だけ回路を作る必要がありかなりスペースを取り、いくら部品を小さくしても小型化には向かなさそうですね。

押す強さまで検知

最近のスマートフォンでは、同じ箇所を押しても押す強さによって異なる操作が出来る機能も見られますね。例えば、スマートフォンのテキストを弱めに押すと入力モードになりますが、強めに押すとセレクトモードになるかと思います。これは押す強さによって静電容量が異なることを利用しているもの。弱めに押せば静電容量Cの変化は少なくなりますが、強く押すとガッツリ容量結合するため波形が大きく変わりますね。

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