3分で簡単「圧電効果」力から電気を生み出す方法を理系ライターがわかりやすく解説
物質の構成
全ての物質は原子から構成されているもの。その、原子の構成はイラストのように真ん中に「原子核」と呼ばれる+電荷を帯びた素粒子があり、その周りに-電荷を帯びた「電子」が存在します。世の中に存在するあらゆる物質が+電荷と-電荷の組み合わせで出来ているわけです。電子は原子核に比べ軽く簡単に移動できます。電気が流れる時は電子が移動していくのです。
電気の流れ=電子の移動
image by Study-Z編集部
「電気が流れると=電子が移動」なのですが、電子の移動のしやすさは物質によって違うため、電気の流れやすさも物質によって異なります。原子核の+電荷の価数(+~の~の部分)、原子核の周りの電子の数、そして電子の並び方が違うためです。
また電子が存在できるポジションは決まっていて(電子軌道)、通常それ以外の範囲には存在できません。数学で出てくる「存在範囲」という概念です。また、1つの電子軌道に存在できる電子の数も決まっています。電子軌道が電子で「満員」状態ならそれで安定してしまい電子は移動しません。電子軌道の定員に余裕がある場合は電子がそこを渡っていくことが可能で、これにより電流が発生します。
電子の数や存在範囲に制約があるのは、「引力斥力のバランスを取るため」です。ご存じの通り、+電荷同士、ー電荷同士は退け合い(斥力が働く)、+電荷と-電荷は引き付け合う(引力が働く)もの。したがって、+電荷orー電荷のどちらかが多すぎたり分布が偏っていたりすると安定しませんね。そのため上記のような制約が出てくるわけです。
4.圧電(ピエゾ)効果
圧電効果とは、端的に言うと圧電素子と呼ばれる物質に圧力を加えると電気が流れる現象。一体なぜ力電気が発生するのでしょうか?
電荷のズレ(分極)と電圧の定義
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ピエゾ効果、圧電効果という用語を聞くと難しそうですが、原理は意外と単純。電気が流れるのは元々物質が持っている電荷の配置がズレるからです。何もしなければ物質内の電荷のバランスは保たれているのですが、圧力を加えて物質が変形するとこのバランスが崩れてしまいます。ある箇所は+電荷が多い、あるところはー電荷が多い(電荷に偏りがある)という状態になり得ますね。
+電荷とー電荷は引き合うものですが、このように電荷の偏りがあるとそれを修正しようとして電荷の移動が起きます。これが電気が発生する所以です。因みに「電圧」という概念は「電荷の差」をイメージしましょう。+~とー~の差が大きいと電圧が高いということ。+1と-1では2しか差がありませんが、+10と-10だと20も差がありこちらの方が電圧が高い。
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