この記事では「独立不羈」について解説する。

端的に言えば「独立不羈」の意味は「他人から束縛されないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「独立不羈」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「独立不羈」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「独立不羈」の意味・使い方を見ていきましょう。

「独立不羈」の意味は?

「独立不羈」には、次のような意味があります。

他からの束縛を全く受けないこと。他から制御されることなく、みずからの考えで事を行うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「独立不羈」

「独立不羈(どくりつふき)」は、金言でもあるのではないでしょうか。「独立」とは、束縛や支配をされないで、自らの意志で行動すること。「不羈(ふき)」は、物事に縛りつけられないという意味。「羈」という言葉自体が「つなぐ」という意味になります。「不」を付け加えることによって、束縛されず行動が自由である様子を表しているといえるでしょう。

やはり、他人から押さえつけられた状況では、本来の力は発揮できません。何事も自分の意志で行動し、目的を持って挑むと成果がでやすいものです。ただし、自由度が増すと、その分重い責任を背負うことになるでしょう。それでも、覚悟を持って自ら選択した人生のほうが、他人に左右される人生よりも幸福度が増すはずです。「独立不羈」は、幸運を引き寄せるためにも、普段から忘れてはならない心構えといえますね。

「独立不羈」の使い方・例文

「独立不羈」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「独立不羈」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.お金持ちでもない資産ゼロの青年が、独立不羈の精神で事業を成功させたそうだね。

2.仕事上で独立不羈を心がけてから営業売上が増加し、賃金も増えて将来に希望が持てた。

3.ほかの社員に反発されても死に物狂いでプロジェクトを完遂した彼は、まさに独立不羈の男だったよ。

「独立不羈」は、深い意味の四字熟語であることから、心構えや生き方を表したい場合に使われます。「独立」というと「起業」というイメージが強いかもしれませんね。しかし、「自分の意志で行動すること」も、立派な「独立」といえます。すなわち、精神面で束縛されない、支配をされないことで主体的に行動できるといえるでしょう。

目の前で起こっている出来事に対して、自身の考えをしっかり持つということは、とても大切なことです。世論に流され、周囲に合わせてばかりいたとしたら、それは「独立不羈」とはいえません。考えることをやめて、何かに依存すれば楽でしょう。しかし、一つの視点に囚われていると、たくさんあったはずの可能性を自ら潰してしまうことになります。情報が溢れている現代だからこそ、本来の自分を見失わないために「独立不羈」の精神は欠かせないのではないでしょうか。

「独立不羈」の類義語は?違いは?

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では、「独立不羈」の類義語や違いをみていきましょう。

「独立独歩」

「独立独歩(どくりつどっぽ)」の意味は、他人に頼らず、自分の思うようにやること。もしくは「独立独行(どくりつどっこう)」ということもあります。「独歩」は、自力で事を行うこと。「独立不羈」とほぼ同じ意味ですが、違いとしては「他人に頼らない」という点でしょう。

「独立不羈」は、全く束縛を受けない、制約されないことで自ら行動することができました。対して「独立独歩」は、他人を頼らず、自分が信じる道を進むことになります。どちらかというと、「独立独歩」のほうが「孤独な戦い」といえるかもしれません。たとえ周囲に反対されたとしても、己の道を突き進みたい時には「独立独歩」を使うとよいでしょう。

「独立自尊」

「独立自尊(どくりつじそん)」は、福沢諭吉の教えとしてご存知の方も多いのではないでしょうか。意味は、何事も自力で行い、自己の人格と尊厳を保つこと。「人格」とは、その人の性格や個性などの「人間性」を差しています。「尊厳」とは、尊くおごそかなこと。人として踏みにじってはいけない、侵してはいけない領域だと考えてください。よく「人間の尊厳」や「尊厳をけなしてはいけない」などと使われています。

当然のことではありますが、自身で行う場合には必ず責任がついてくるもの。他人のせいにすることもできませんし、適当に物事にあたることもできないでしょう。だからこそ、人格と尊厳を確立させるためには、自力で行うことが大切だといえます。福沢諭吉が生涯を通じて体現したように、「独立自尊」は品位を保つために欠かせない精神といえますね。

\次のページで「「独立不羈」の対義語は?」を解説!/

「独立不羈」の対義語は?

「独立」の反対は「依存」になります。そこで今回は、「人に流されやすい」や「人に頼りきり」といった意味合いで「独立不羈」の対義語をみていきましょう。

「付和雷同」

「付和雷同(ふわらいどう)」の意味は、自分の主義主張がなく、安易にほかの意見に賛成すること。「付和」という言葉自体が、自分にしっかりした考えがなく、たやすく他人の意見に同調してしまうという意味になります。「雷同」も、雷の音が周囲に響き渡る様子から転じて、自分自身の考えがなく、むやみに他人の意見や説に同調するという意味になりました。どちらも似たような意味の言葉を並べることによって、流されやすい様子を強調しているといえますね。

「付和雷同」は波風を立てないため、悪くないような印象を持つかもしれません。しかし、考えずに同調するということは、たとえ間違っていることでも賛同してしまうことなります。さらに、上司や先輩が「付和雷同」であった場合、考えがコロコロ変わるため、部下が振り回されてしまうでしょう。ビジネスで成功したいならば、「付和雷同」よりも「独立不羈」であるべきではないでしょうか。

「負んぶに抱っこ」

「負(お)んぶに抱(だ)っこ」の意味は、全て他人に頼りきりになること。幼い子供が歩くのに疲れて、親に「おんぶして」や「だっこして」と要求してきますよね。まだ子供だから良いものの、大人がしていたら大変恥ずかしい行為といえます。「負んぶに抱っこ」は、他人の好意を利用して、人のお世話になりっぱなしの状態を差しているといえるでしょう。

「いつまでも負んぶに抱っこじゃダメだぞ」と言われたら、これまでの考えや姿勢を改めなくてはいけません。「独立不羈」を心掛ける前に、まずは精神的に「自立」するべきだといえますね。

「独立不羈」の英訳は?

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では、「独立不羈」を英訳すると、どのような表現があるのでしょうか。

「a free and independent」

free」は「自由」や「束縛のない」という意味。「independent」は「独立した」や「依存しない」という意味になります。直訳すると「自由と独立」という意味になり、「独立不羈」として使うことができるでしょう。「独立不羈の精神」を英訳するならば「a free and independent spirit」と表現することができますね。

「self-reliance」

「self-reliant」は、「独立不羈」というよりは「独立独歩」に近い意味となります。「self」は「自分」という意味。は「reliant」は「信頼」や「当てにすること」という意味になります。「- (ハイフン)」で2つの単語を1単語として表すことができるので、「self-reliance」は「独立独歩」及び「独立不羈」として使うことができるでしょう。

\次のページで「「独立不羈」を使いこなそう」を解説!/

「独立不羈」を使いこなそう

この記事では「独立不羈」の意味・使い方・類語などを説明しました。「独立不羈」は、日常会話で使う四字熟語ではありませんが、とても深い意味であるため記事やブログなどでよく使われています。やはり、簡単に「独立不羈」の精神といっても、実践するのはなかなか難しいですよね。束縛されていないつもりでも、意志を強く持たなければ無意識のうちに他人の意見に囚われてしまいます。だからこそ、物事に対して疑問に持つこと、自分の考えで行動することが大切なのではないでしょうか。

「束縛」の反対語は「自由」もしくは「解放」になります。自由であるということは、責任を持つこと。そして、責任を持って行動してこそ、他人に制御されない自分の人生を歩んでいるといえるはずです。もしも、あなたがインターネット上に転がるたくさんの情報に惑わされそうになったら、ぜひ「独立不羈」を思い出してみてください。

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国語言葉の意味

【四字熟語】「独立不羈」の意味や使い方は?例文や類語を本の虫ライターがわかりやすく解説!

この記事では「独立不羈」について解説する。

端的に言えば「独立不羈」の意味は「他人から束縛されないこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

年間60冊以上本を読み込んでいるヤマゾーを呼んです。一緒に「独立不羈」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ヤマゾー

ビジネス本を中心に毎年60冊読破。本を通じて心に響く生きた日本語を学ぶ。誰にでも分かりやすい説明で四字熟語を解説していく。

「独立不羈」の意味・使い方まとめ

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それでは早速「独立不羈」の意味・使い方を見ていきましょう。

「独立不羈」の意味は?

「独立不羈」には、次のような意味があります。

他からの束縛を全く受けないこと。他から制御されることなく、みずからの考えで事を行うこと。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「独立不羈」

「独立不羈(どくりつふき)」は、金言でもあるのではないでしょうか。「独立」とは、束縛や支配をされないで、自らの意志で行動すること。「不羈(ふき)」は、物事に縛りつけられないという意味。「羈」という言葉自体が「つなぐ」という意味になります。「不」を付け加えることによって、束縛されず行動が自由である様子を表しているといえるでしょう。

やはり、他人から押さえつけられた状況では、本来の力は発揮できません。何事も自分の意志で行動し、目的を持って挑むと成果がでやすいものです。ただし、自由度が増すと、その分重い責任を背負うことになるでしょう。それでも、覚悟を持って自ら選択した人生のほうが、他人に左右される人生よりも幸福度が増すはずです。「独立不羈」は、幸運を引き寄せるためにも、普段から忘れてはならない心構えといえますね。

「独立不羈」の使い方・例文

「独立不羈」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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